ExperimentalParticlePhysics

EPP Seminar

2017

  • 2017-December-21 (Thu)
    • 講師;幅 淳二 氏(高エネルギー加速器研究機構)
    • 題目:ここまで進んだSOIセンサーの開発
    • 概要:KEK測定器開発室では2006年より高機能半導体技術であるSilicon-On-Insulator(SOI)テクノロジーを用いた、次世代放射線センサー(SOIピクセル検出器)の開発を進めてきた。光、X線、荷電粒子の高精細2次元検出において、CCDやCMOSセンサー、あるいはバンプ接合を使ったハイブリッドといった従来型ピクセル検出器の長所の全てを合わせもつ、究極のセンサーとして期待される技術であるが、克服すべき課題も少なくなかった。本セミナーでは、そうした課題にもほぼ見通しが立ち、いよいよ高性能実用システムとしてその真価を世に問うSOIピクセルセンサーの現状を報告する。
  • 2017-November-17 (Fri)
    • 講師;須田 利美 氏(東北大学 電子光理学研究センター)
    • 時間と場所:14:30 W1-B212
    • 題目:Proton Size - electron scattering off proton at the lowest-ever momentum transfer -
    • 概要:Proton is the primary building block of the “visible” universe, and its internal structure has been intensively studied since its discovery. Today, we are facing to confusion about its size, referred to as “Proton Radius Puzzle”. It is a big surprise to realize that we do not yet, even today, fully pin down the most basic characteristics of the proton after its first determination by R. Hofstadter half a century ago. The proton size, the root-mean-square charge radius, has been so far determined by electron scattering, and hydrogen spectroscopy of the normal atoms as well as the muonic atoms. The latest determination of the proton radius using muons, 0.84 fm, disagrees by 4 % with one determined by electrons, 0.88 fm. Intensive discussions on possible reasons of this discrepancy, including critical reviews of past analysis of experimental data, have been going on, but the situation is not yet clear. Since one possible reason was suggested to be a non-identical nature of electron and muon in their interaction, this puzzle turned out to attract much attention in our physics community. It is known that the radius determination from electron scattering data as well as hydrogen spectroscopy is somewhat model dependent. In order to diminish model dependence in the radius determination, we are going to carry out electron scattering under the kinematics of the lowest-ever momentum transfer at Research Center for Electron-Photon Science (ELPH), Tohoku University. It is worth emphasizing here that ELPH is the only place in the world, where such a low-energy electron scattering experiment is possible. In my talk, after a brief overview of “Proton Radius Puzzle”, I will discuss in details on the on-going electron-scattering project at our laboratory.
  • 2017-November-15 (Wed)
    • 講師;与那嶺 亮 氏(東北大学理学研究科)
    • 時間と場所:15:30 W1-B816
    • 題目:TPCを用いた低エネルギー宇宙ガンマ線検出の試み (HARPOプロジェクト)
    • 概要:宇宙観測において、宇宙から飛来する電磁波は重要な情報源であり、あらゆる波長で、高い角分解能を持って観測することが求められている。現在の宇宙ガンマ線観測において、1MeV-1GeVのエネルギー領域で、角度分解能の感度が落ちるギャップが存在し、偏光度測定にいたっては、公式な報告はまだ存在しない。その理由は、このエネルギー領域では、電子・陽電子が比較的低エネルギーで生成され、多重散乱によりそれらの角度情報が簡単に失われてしまうためであり、現行のフェルミガンマ線宇宙望遠鏡だけではカバーしきれていない。 そこで、1MeV~1GeVのギャップを埋める一つの解決策として、フランスのEcole PolytechniqueとCEA/Saclayを中心にHARPOプロジェクトが立ち上げられ、ガス検出器をアクティブターゲットとしてγ線観測に用いることを検討している。本報告では、ガス検出器のγ線観測への応用可能性についての議論と、実際に試験機を用いたγ線ビーム試験の結果を紹介する。
  • 2017-November-02 (Thu)
    • 講師:有賀 智子 氏 (九州大学基幹教育院)
    • 時間と場所:16:30 W1-B212
    • 題目:エマルショントラッカーを用いた素粒子実験および地球科学分野での応用
    • 概要:エマルション検出器は写真フィルムの一種であり、粒子検出器の中で最も 高い位置精度を持つ3D トラッキングデバイスである。 その強みを生かし、ニュートリノなどの基礎物理学実験はもちろん、地球科学や医療分野等での応用も 展開されている。 ここではまず、私が提案している CERN SPS 400 GeV 陽子ビームを用いたタウニュートリノ生成の研究について紹介する。この実験の成果 はタウニュートリノ反応断面積の精密測定に不可欠である。タウニュートリノ ビームの生成源は、高エネルギー陽子反応で発生する Ds 粒子のタウ粒子への崩壊と続いて起こるタウ粒子の崩壊である。 この実験では、数 mm という短い飛距離でのダブルキンクを幾何学的に検出するという独創的な手法をとる。50 nm という高い位置精度を有するエマルション検出器を用いることにより、数mrad という微小な折れ曲がりを特徴とするDs 粒子のタウ粒子への崩壊を検出する。 2×10^8 陽子反応を解析し、Ds 粒子のタウ粒子への崩壊事象を約 1000事象検出 することを目指している。 その他、反物質の研究のための検出器開発や、他分野への応用として行っている 宇宙線ミューオンラジオグラフィーを用いたスイス山岳氷河のイメージングなどについても紹介する。
  • 2017-October-11 (Wed)
    • 講師:Stephane Callier 氏 (CNRS/IN2P3/OMEGA)
    • 時間と場所:16:30 W1-B816
    • 題目:Integrated Readout Electronics for Multi-channel Sensors
    • 概要:OMEGA is a French laboratory highly specialized in microelectronics design. This includes both analogue and digital ASICs (Application Specific Integrated Circuit). OMEGA is in charge of the development and of the production of the readout devices for the CALICE collaboration and for the upgrades of the calorimeters of ATLAS and CMS at LHC@CERN. These ASICs developed by OMEGA will be presented during this seminar. These devices are more and more complex and are now real System-On-Chip (SoC) embedding several functionalities (charge measurement, triggers, time measurement, integrated ADCs …). These chips can be used for different detector readout such as Silicon based devices (SiPM (MPPC), Si PIN diodes, APD …) or (MA-PMT) or gaseous detectors (RPCs, GEMs, Micromegas…). The main application fields of these chips is particle physics and nuclear physics but some devices can be used for other applications (medical imaging, volcanology …). A short introduction about (micro-)electronics for particle physics requirements will also be included.
  • 2017-July-14 (Fri)
    • 講師:下村 浩一郎 氏 (KEK/大阪大学)
    • 時間と場所:15:00 W1-B212
    • 題目:ミュオニウム超微細構造の精密測定
    • 概要:ミュオニウムは、正電荷を持つミュオンと電子の束縛系で、 水素原子と極めて似た性質を持っている。 またレプトンのみから構成されているので、 高精度な実験と理論の比較が可能である。 ミュオニウムは物質中では水素不純物をよくシミュレートするため、これまでも様々な研究が行われて来た。 本講演では別の側面、基礎物理学的興味から現在J-PARCで進められているミュオニムの超微細構造精密測定について、 物理的意義と現状を、できるだけ基礎から分かりやすく紹介したい。

2016

  • 2016-December-20 (Tue)
    • 講師:清水 裕彦 氏 (名古屋大学) pdf
    • 時間と場所:17:00 W1-B212
    • 題目:中性子を用いた素粒子物理
    • 概要:超冷中性子から熱外中性子を用いた基礎物理を概説する。 特に、時間反転対称性の破れの高精度測定による新物理探索について、 これまでの試みと実験的精度を制限している要素について議論し、 その制限を超える方法を考察する。
  • 2016-October-20 (Thu) ILC大学連携タスクフォースセミナー
    • 講師:ジャクリン ヤン 氏(KEK)、倉田正和 氏(東京大学)
    • 時間と場所:16:30 物理第3講義室(W1-D-315)
    • 題目:宇宙創成の謎に迫る国際リニアコライダー計画
      • ILCの物理(倉田)pdf
      • ILCの加速器(ヤン)pdf
    • 概要:国際リニアコライダー(ILC)は次世代の電子陽電子衝突エネルギーフロンティア加速器として、 世界中の研究者の国際協力のもと研究開発・設計が行われています。 国際プロジェクトILCの日本国内誘致に向けた動きも加速しています。 本セミナーでは、ILCで期待されるヒッグス粒子やトップクォークの研究と新粒子発見の可能性、 最先端の超伝導加速技術を用いた加速器設計、およびILC計画を実現するための国内外の取り組みについて、 ILC計画に携わる若手研究者が分かりやすい内容で解説します。(言語:日本語)
  • 2016-October-11 (Tue)
    • 講師:山本 明 氏 (KEK)
    • 時間と場所:16:40 W1-B212
    • 題目:超伝導スペクトロメータによる、宇宙起源反粒子・反物質探索: BESS 気球実験 pdf
    • 概要:宇宙線観測を通した、宇宙起源反粒子の精密観測、宇宙反物質探索実験及び 超伝導技術を駆使し、永久電流化された超伝導スペクトロメータを用いた、 気球による宇宙素粒子実験 (BESS) を紹介する。 NASA/NSF との協力による南極上空周回気球実験においてy~25 日間の 連続観測に成功した、かつてない高い観測感度での探索実験の経過と 結果を報告する。
  • 2016-September-26 (Mon)
    • 講師:山崎 高幸 氏 (東京大学ICEPP)
    • 時間と場所:10:30 W1-B816
    • 題目:光を使って真空を探る pdf
    • 概要:山崎氏は東大ICEPPの小林・浅井グループで主にポジトロニウムを使った 小実験で標準模型を超える現象を探索する実験を推進してこられました。 最近では理研のSPring8やSACLAの高強度X線源や高磁場を使って 真空の特性を測る実験などを提案・推進しています。 今回はそうしたLHC, ILCなどの大実験と相補的な 小実験による新物理探索についてお話しいただきます。
  • 2016-January-29 (Fri) ILC大学連携タスクフォースセミナー
    • 講師:ジャクリン ヤン 氏(KEK)、栗木 雅夫 氏(広島大学)
    • 時間と場所:16:30 物理第3講義室(W1-D-315)
    • 題目:宇宙創成の謎に迫る国際リニアコライダー計画
      • ILCの物理と測定器(ヤン)pdf
      • ILC加速器と計画の概要(栗木)pdf
  • 2016-January-07
    • 講師:織田 勧 氏 (九州大学)
    • 時間と場所:16:30 W1-B816
    • 題目:LHC 13 TeV Run の結果 pdf
    • 概要:LHCは2015年に衝突エネルギーを13TeVに増強して運転を再開した。 本セミナーでは、12/15のCERN Seminarで報告されたATLAS実験、CMS実験の成果を紹介する。

2015

  • 2015-December-14
    • 講師:三部 勉 氏 (高エネルギー加速器研究機構)
    • 時間と場所:16:30 W1-B212
    • 題目:極冷ミューオンビームを用いたミューオンg-2/EDM精密測定 pdf
    • 概要:パイオンの崩壊によってできるミューオンを一旦静止させ、再加速すると エミッ タンスが極めて小さい「極冷ミューオンビーム」ができる。J-PARCでは世界で初めてそのようなビームが生成されようとしている。 それを蓄積し、崩壊陽電子の 飛跡を測定することで、 まったく新しい実験手法でミューオンの異常磁気能率 (g-2)と電気双極子能率(EDM)が精密に測定できる。 本セミナーでは実験概要と準備状況について紹介する。
  • 2015-November-09
    • 講師:中家 剛 氏 (京都大学)
    • 時間と場所:16:30 W1-B212
    • 題目:ニュートリノ振動:T2K実験からハイパーカミオカンデへ pdf
    • 概要:1998年のスーパーカミオカンデによる大気ニュートリノ振動の発見以来、ニュートリノ振動の研究はその後の太陽ニュートリノ振動の発見、T2K実験等による第3の混合角による電子ニュートリノ出現事象の発見等、急速に進展してきた。現在は、ニュートリノを使った粒子・反粒子対称性(CP対称性)の破れの測定が主テーマとなってきている。本講演では、T2K実験における電子ニュートリノ出現発見から、反ニュートリノ振動の研究、そしてCPの破れの研究の最新結果について報告し、将来計画であるハイパーカミオカンデ実験まで紹介する。
  • 2015-June-21
    • 講師:音野 瑛俊 氏 (九州大学)
    • 時間と場所:13:30 第一会議室
    • 題目:Long-lived new particle search at the LHC
    • 概要:Quite a few new physics beyond the Standard Model predict long-lived particles, which have a flight length of more than O(1) mm at the collision point of the LHC. In order to search the long-lived particles, the ATLAS experiment has developed dedicated technique to reconstruct the displaced vertex, and has searched long-lived gluino up to 1500 GeV in the context of the supersymmetric theories. Toward the 13 TeV collision from this month, we have considered a new scenario which makes "low" mass displaced vertex with an invariant mass of O(10) GeV, which is favoured from gaugino coannihilation process for bino-dark matter. We would like to discuss on the discovery potential of this scenario in this seminar.
  • 2015-June-17
    • 講師:Dr. Jan Strube (PNNL)
    • 時間と場所:15:00 in the 1st lecture room
    • 題目:ILC activities in the US
    • 概要:The International Linear Collider is a proposed electron-positron collider with a baseline collision energy of 500 GeV. The clean environment of the collisions combined with the high performance of the detectors allow for a physics program that adds significantly to the reach of the LHC. We will motivate the physics case for this machine and review the highlights of the proposed 20-year program. We will then give an overview of the ongoing R&D in both, accelerators and detectors that enables this program, with special focus on activities in the US.

2014

  • 2014-November-25 (Tue)(第6回物理学教室談話会)
    • 講師:栗木 雅夫 氏(広大)
    • 時間と場所:15:30 物理第一会議室
    • 題目:加速器科学の動向と、国際リニアコライダー計画の位置づけ pdf
    • 概要:加速器は20世紀初頭の黎明期から、その加速エネルギーを急速に増大させてきた。放射光による物質研究、各種ビームによる材料プロセス、PETやがん治療など、その利用に広がりを見せている一方で、加速器の高エネルギー化の最大の駆動力は素粒子・原子核研究であることは論を待たない。現在、計画中の国際リニアコライダーILC計画を中心に、加速器科学の動向と、ILC計画の加速器としての位置づけについて述べる。
  • 2014-November-11 (Tue)(第5回物理学教室談話会)
    • 講師:羽澄 昌史 氏(KEK)
    • 時間と場所:17:00 物理第三講義室
    • 題目:インフレーション宇宙を探る宇宙マイクロ波背景放射の観測
    • 概要:宇宙マイクロ波背景放射(CMB)の観測は、我々の驚くべき宇宙を明らかにしてきた。現在最も注目されているのは、CMB偏光の精密観測である。熱いビックバン以前を記述する最も有望な仮説であるインフレーション理論は、インフレーション時代に生成された原始重力波が、CMB偏光マップにB-modeとよばれる特殊なパターン刻印をしたと予言している。B-modeを発見できれば、インフレーションモデルの検証はもとより、背後にある量子重力理論のテストも可能になる。つまり超ひも理論に代表されるような究極理論候補の実験的検証への道が拓かれるのである。本公演では、CMB偏光観測の最前線について現状と将来を概観する。
  • 2014-June-18 (Wed)
    • 講師:田辺 友彦 氏(東大ICEPP)
    • 時間と場所:13:00 物理第三講義室
    • 題目:ILCの物理と展望
    • 概要:素粒子物理学の発展の歴史と現状と,LHC (Large Hadron Collider) 実験の結果と展望をふまえ,国際リニアコライダー(ILC)の目指す物理を解説する。ILCは,スイス・ジュネーブにて2008年から運転が行われ,2012年にヒッグス粒子を発見したLHC実験と相補的にTeVエネルギーの新物理を探究する次世代加速器で, 国際協力により開発・検討が進められており,近い将来の国内への建設が有望視されている。本セミナーでは,電子陽電子衝突によるクリーンな環境を生かし,ヒッグス粒子やトップクォークの性質の精密測定を通した新物理の研究や,ダークマター粒子をはじめとしたカラーを持たない新粒子の直接探索など,ILCにおける大きな発見の可能性を紹介し,ILCの物理的意義を明確にしたい。また,ILC計画の進行状況についても国内外の状況について簡単に紹介する。
  • 2014-March-17 (Mon)
    • 講師:茅根 裕司 氏(KEK/UC Berkeley)
    • 時間と場所:16:30 物理第三講義室
    • 題目:宇宙マイクロ波背景放射偏光観測実験POLARBEARによる重力レンズ起源B-mode偏光の検出 pdf
    • 概要:POLARBEAR実験は、ニュートリノ質量和の精密測定およびGUTスケールでの物理の解明を目指し、南米チリのアタカマ砂漠標高5,200mで、2012年初頭から、宇宙マイクロ波背景放射(Cosmic Microwave Background radiation, CMB)偏光の観測を行っている。ニュートリノの存在は、宇宙の構造形成に影響を与える。その影響度合いはニュートリノの質量和に依存し、重力レンズ効果を通じて測定する事が可能である。重力レンズ効果により、CMB偏光の小角度スケールにB-mode偏光と呼ばれる特徴的なパターンが刻まれるため、この小角度のB-mode偏光を精密に測定する事で、ニュートリノの質量和を測定する事が可能である。一方宇宙の極初期に於いては、原始重力波が生成されたと考えられている。この原始重力波は宇宙の晴れ上がり時と再電離の時期に、CMB偏光に大角度スケールのB-mode偏光を残す。原始重力波の大きさは、初期宇宙のエネルギースケールに依存するが、その大きさはGUTスケール程度だと考えられる。その為、大角度スケールのB-mode偏光を介し原始重力波の大きさを測定する事で、GUTスケールの物理に迫る事が可能である。POLARBEAR実験は、超高感度な1274個のTES(transition-edge sensor)ボロメータと3.5mの専用望遠鏡を用いることで、世界最高感度で大角度および小角度スケール両方でB-mode偏光の観測が可能な、ユニークな実験である。現在迄の観測では、重力レンズ起源B-mode偏光検出に特化したdeep surveyを行い、初検出を目指しデータ解析を精力的に進めて来た。この講演では、CMBの物理と実験の基礎を解説した上で、POLARBEAR実験が達成した重力レンズ起源B-mode偏光の検出についてまとめる。可能ならば、この結果によるニュートリノ質量和への制限についても言及し、将来、POLARBEAR実験でどこ迄精密にニュートリノ質量和を測定出来るのかについても議論する。最後に、原始重力波起源B-mode偏光観測のスケジュールについても話す予定である。

2013

  • 2013-November-18 (Mon)
    • 講師:森 俊則 氏(東京大学素粒子物理国際研究センター)
    • 時間と場所:16:30 物理第一会議室
    • 題目:ミューオンで探る素粒子の大統一理論
    • 概要:昨年のヒッグス粒子の発見によって素粒子の標準理論の枠組みが概ね正しかった事が分かり、今後は標準理論を超える新物理の探求がますます重要となっている。ここでは、「重い電子」ミューオンの非常に稀な崩壊現象の探索を通して素粒子の大統一理論に迫ろうとするMEG実験について紹介する。
  • 2013-November-06 (Wed)
    • 講師:Dr. Felix Sefkow (DESY)
    • 時間と場所:10:30 in the 3rd lecture room
    • 題目:Nobel Detector Concepts and Technologies for the ILC pdf
    • 概要:The exciting physics opportunities at the international linear collider ILC have spurred the development of novel detection concepts and technologies. The quest for precision rather than radiation tolerance has guided the optimisation of detectors which are very different from those at the large hadron collider LHC. The talk will explain the physics motivation for such precise experiments and present the overall design philosophy. Calorimeters have changed most dramatically, and some highlights from the ongoing R&D effort will be presented.
  • 2013-November-05 (Tue)
    • 講師:白井 智  (カリフォルニア大学バークレー校)
    • 時間と場所:17:00 in the 3rd lecture room
    • 題目:SUSY2013  〜現状と今後の展望〜 pdf
    • 概要:LHCでの125 GeV Higgs粒子の発見、およびSUSYの未発見という事実は伝統的なSUSY模型描像を大きく揺さぶり、新たなアプローチでの理論構築が求められるようになった。埋もれていたアイディアの再発掘、検討も精力的に行われている。それに伴い、LHCで予言されるシグナルも単なるmissing energy + jetsから、より"エキゾチック"なものが注目を浴びるようになりつつある。本講演では、LHCの結果を踏まえたSUSY模型についての理論的発展について紹介する。
  • 2013-October-18 (Fri)
    • 講師:西村 康宏 氏 (東京大学宇宙線研究所)
    • 時間と場所:16:30 in the 3rd lecture room
    • 題目:T2K実験によるニュートリノ振動測定 pdf
    • 概要:T2K(Tokai to Kamioka)実験では、ミューオンニュートリノビームをJ-PARCから295km離れたスーパーカミオカンデへ照射し、ニュートリノ振動を観測している。目的の1つとして、振動角θ_13によるニュートリノのミューオン型から電子型への振動観測がある。今回は、統計量が前結果より倍以上となり、また解析を改良したため、有意に電子型への出現を証明した。また、ミューオン型からタウ型へ振動し、ミューオン型が消失するモードについても、最新の観測結果を紹介する。本講演では、詳細なニュートリノ振動パラメータの測定が可能となったこれら2013年のT2K実験最新結果と、Hyper-Kamiokandeなど今後の展開を報告する。
  • 2013-August-19 (Mon)
    • 講師:田中礼三郎 氏 (LAL, Orsay)
    • 時間と場所:10:30 in the 1st meeting room
    • 題目:Measurement of Higgs properties at the LHC
    • 概要:CERNにおける大型ハドロン衝突型加速器 (LHC)では、2011−12年に重心系のエネルギーが7および8TeVで約25fb^-1のデータを蓄積した。ちょうど1年前の7月4日にCERNにおけるセミナーで、アトラス実験およびCMS実験グループによりヒッグス粒子と思われる粒子の発見の報告がなされた。その後すべてのデータの解析がすすみ、発見された粒子は素粒子の標準模型で唯一未発見であったヒッグス粒子であることを強く示唆する結果を得ている。講演では、ヒッグス粒子の物理について概観したのち、ヒッグス粒子の基本的な性質である質量、崩壊幅、ゲージ・ボソンやフェルミオンとの結合、スピン・パリティについての解析結果を示す。さらに今後の高輝度LHC計画でのヒッグス粒子の物理について述べる。
  • 2013-July-29 (Mon)
    • 講師:Frank Zimmermann 氏 (CERN)
    • 時間と場所:10:30 in the 1st meeting room
    • 題目:LHC status and plans
    • 概要:大型ハドロン衝突型加速器 (LHC) で、2010年から2012年の期間に達成した性能についてレビューする。特に、これまでに経験した挑戦的課題、今後10年間に計画しているデザイン値に近いエネルギーでの運転、その問題点と限界について述べる。さらに、2022年以降について、高輝度化したLHC (“High Luminosity LHC” または “HL-LHC”) のための加速器パラメータ、鍵となる概念、進行中の研究開発について議論する。将来の高エネルギーハドロン衝突型加速器 (“High Energy LHC” と “Very High Energy LHC”) のアイディアについても紹介する。
  • 2013-July-18 (Thu)
    • 講師:北口 雅暁 氏 (名古屋大学)
    • 時間と場所:16:30 in the 3rd lecture room
    • 題目:中性子を用いた基礎物理実験
    • 概要:加速器による大強度中性子源と中性子制御技術の飛躍的な向上によって、中性子を用いた高精度の基礎物理実験が可能になってきた。現在我々はJ-PARCにおいて、ビッグバン元素合成模型の基本パラメータである中性子寿命の高精度測定を行っている。高速バンチ整形による低バックグラウンド化によって 0.1% の測定精度を目指し実験が進行中である。 また、中性子の電気双極子モーメントはSUSYなど標準理論を超える物理のよいプローブである。大強度中性子源と高精度光学系を用いることで、これまでの上限値を2桁向上させる可能性がある。さらに原子核反応での時間反転対称性の破れの測定、散乱や干渉を用いた重力相互作用の精密測定、中性子反中性子振動など、特に標準理論を超えた物理を目指して検討を進めている。実験の現状と今後の展開について議論したい。
  • 2013-January-08 (Tue)
    • 講師:中畑 雅行 氏 (東大宇宙線研)
    • 時間と場所:16:30 in the 1st meeting room
    • 題目:ニュートリノ研究の現状と将来 pdf
    • 概要:スーパーカミオカンデをはじめとする地下実験によってニュートリノ振動が発見され、ニュートリノが質量を持ち、世代間の混合もあることが分かってきた。また、近年の加速器ニュートリノ実験、原子炉ニュートリノ実験によって3つ目の混合角も測定され、残された振動パラメータは質量階層性とCP phaseのみとなった。ニュートリノ研究のこれまでのまとめと今後の展望についてお話しする。

2012

  • 2012-June-29 (Fri)
    • 講師:清水 俊 氏 (大阪大学)
    • 時間と場所:16:30 in the 1st lecture room
    • 題目:K->lν崩壊におけるμ-eユニバーサリティの破れ探索
    • 概要:近年、階層性の問題や宇宙の暗黒物質や暗黒エネルギー等のSMでは説明できない現象が指摘されていて、SMに超対称性 (SUSY)を導入したモデルなど様々な理 論が提案されている。本研究は荷電K+中間子の二つの崩壊チャンネルK+->e+ν (Ke2) と K+->μ+ν(Kμ2))の分岐比の比 RKを0.2 %という高精度で測定し、標準模型(SM)からの差異を発見することで、標準模型を超える新しい物理(NP)を探索する。特に重要な物理過程としてLFV SUSYの効果が考えられ、RK値に1%という大きな影響を与える 可能性がある。具体的な実験方法であるが、J-PARC 施設において、静止したK中間子崩壊を測定する方法を採用する。また、時間対称性破れの探索を目的としたKEK-PS E246実験で使用した検出器群を改良したTREK検出器を使用する。Ke2及びKμ2崩壊で発生する荷電粒子はトロイダルスペクトロメータ、内部制動放射からのガンマ線は CsI(Tl) カロリーメータを用いて測定する。
  • 2012-May-28 (Mon)
    • 講師:青木 正治 氏 (大阪大学)
    • 時間と場所:16:30 in the 1st lecture room
    • 題目:J-PARC RCSからのパルス陽子ビームを活用したミューオン電子転換過程の探索実験 -- DeeMe -- pdf
    • 概要:ミューオン電子転換過程はレプトン・フレーバを破る反応であり、素粒子の標準理論では禁止されている。その一方で、標準理論を超えた多くの理論ではその存在 が自然と考えられており、実験的な研究を着実に推進することが重要である。本講演では、10^-14の感度でミューオン電子転換過程を探索する実験、DeeMe 、について紹介する。これは現在の上限値をおよそ2桁改善する感度であり、世界で最初に信号を発見できる可能性は非常に高い。また、発見できない場合であっても、標準理論を超えた物理に対する重要な知見を与える。DeeMe では、陽子標的中にミューオニック原子が大量に生成される事に着目し、陽子標的から放出される電子をアクセプタンスの大きい二次ビームラインで取出すというユニークな実験手法を用いる。この二次ビーム ラインは汎用性の高い設備であり、他の実験にも活用できるためDeeMe の費用対効果 費は非常に高い。DeeMe は科研費の金額と研究期間におさまるサイズの実験であり、 若手研究者の育成にも最適である。本講演では、DeeMe実験の目指す物理や実験手法、 これまでの準備状況と今後の展開について議論する。
  • 2012-May-15 (Tue)
    • 講師:長谷川 裕司 氏 (ウィーン工科大学)
    • 時間と場所:16:30 in the 1st lecture room
    • 題目:中性子のスピン測定における不確定性 -- ハイゼンベルクの不確定性原理を超えて --
    • 概要:ハイゼンベルクの不確定性原理は、量子力学の教科書の初めに出てくる基本原理として知られている。 ケンナードやロバートソンによって示された標準偏差を用いた不確定性関係と異なり、測定の誤差と擾乱に関する不確定性関係は証明がなされてなく、ただ「直感的な」関係式として長い間信じられてきた。最近、小澤によりこの誤差と擾乱に関する不確定性関係が数学的に示された。我々は中性子のスピンの連続測定によってこの小澤によって示された不確定性関係に関する検証を行った。その結果、ハイゼンベルクによって示された不確定性関係が破れ、小澤の示唆した不確定性関係が成立することが実験的に示された。この結果はNature Physicsに発表され、多くの新聞にも取り上げられた。
  • 2012-April-06 (Fri)
    • 講師:斉藤 直人 氏 (高エネルギー加速器研究機構)
    • 時間と場所:16:30 in the 1st lecture room
    • 題目:極冷ミューオンビームを用いたミューオン異常磁気能率および電気双極子能率の測定 pdf
    • 概要:ミューオンの異常磁気モーメントは、標準模型から有為なずれが確認されている 数少ない物理量の一つである。我々は、これを全く新しい手法で、しかも電気双極子 モーメントと同時に測定する実験を、J-PARCの物質生命科学実験施設のミュオン施 設で行うべく、提案している。この実験では、横方向の運動量広がりが小さい極冷ミ ューオンビームを用いる。このビームは、実質的にゼロの収束場で、磁場中に蓄 積することが出来る。この手法により、過去に実験より圧倒的に小さな磁場領域で実験 が可能となる。我々の提案では、300 MeV/cまで加速したビームを3 T の静磁場に入 射・蓄積し、ミューオンのスピン歳差運動の各周波数ベクトルを測定する。このとき、周 回軌道の半径は33 cmであり、過去の実験の7mに比べ圧倒的に小さく、磁場の精密調整が 可能となる。この実験の最初のゴールは、過去の実験の5倍の精度0.1 ppmでg−2を 測定することである。同時に電気双極子モーメントについても、従来の約100倍 の精度1E-21 e・cm で探索することができる。 本講演では、実験の現状と、今後の展開について議論する。
  • 2012-February-03 (Fri)
    • 講師:小松原 健 氏 (高エネルギー加速器研究機構)
    • 時間と場所:16:30 in the 1st lecture room
    • 題目:J-PARCでのK中間子稀崩壊実験 pdf
    • 概要:茨城県東海村の大強度陽子加速器施設J-PARCが完成し、30GeVの陽子ビームを用いた新しい素粒子原子核実験が始まる。本セミナーでは、ハドロン実験施設で準備中の中性K中間子稀崩壊実験(E14 KOTO実験)を紹介し、陽子加速器の固定標的実験で何がわかるのか、それは素粒子物理の最前線の課題とどう密接に関わるのか、について基礎的なレベルからわかりやすく説明したい。また、ヨーロッパや米国のK中間子崩壊実験の現状やJ-PARC復旧の最新状況についても報告する。

2011

  • 2011-December-22 (Thu) 二つの関連する講演があります。
    • 時間と場所:16:30 in the 1st lecture room
    • 講師:西口創(高エネルギー加速器研究機構)
    • 題目:ミューオン崩壊で探る新物理・MEG実験 pdf
    • 概要:いよいよLHC実験が始まり、素粒子物理学は今一大転換期を迎えているが、 様々な新しい物理モデルを実験データに基づいて検討するには、LHCの結果と、 それとは別の切り口から得られるTeVスケール物理の知見とを組み合わせて、 複合的見地から議論することが望ましい。そこで注目されているのが、 TeVスケール物理に優れた感度を持つ荷電レプトンフレーバ非保存事象(CLFV) 探索実験である。この講演では、ミューオン崩壊の精密測定を通じて挑む CLFV実験の意義・方法・歴史と現状、特に現在進行中の唯一の実験である μ→eγ探索実験(MEG実験)の最新結果を紹介する。
    • 講師:三原智(高エネルギー加速器研究機構)
    • 題目:ミューオン崩壊で探る新物理・将来のミューオン電子転換探索 ーCOMET実験を初めとしてー pdf
    • 概要:スイスポールシェラー研究所で進められているMEG実験は、μ→eγ崩壊を 探索することにより世界最高感度でのCLFV探索を行なっている。 現在、このMEG実験と同等かまたはそれを上回る感度でCLFV探索を 行おうとする試みが世界各所で進められている。これらはμ→eγ崩壊以外の CLFV過程に注目し、MEG実験と最高エネルギー衝突型実験を別な 視点から検証しようとするものであり、早期の実現が期待されている。 この講演では、J-PARCでの実施が計画されている μ-e転換探索実験(COMET実験)に焦点を当ててこれらの実験を紹介し、 CLFV探索の将来の可能性を探る。
  • 2011-December-06 (Tue)
    • 講師:田中 秀治 氏 (高エネルギー加速器研究機構)
    • 時間と場所:16:30 in the 1st lecture room
    • 題目:BelleII/superKEKBの現状と展望 pdf
    • 概要:現在BelleII検出器及びsuperKEKB加速器の高度化に向けて様々な部分の設計、試験 が進行中です。本セミナ―では7月に中村 勇 氏が紹介した内容を踏まえ、大型加速器 実験における装置建設準備から実験開始に至るまでにどのような研究内容(大学院生にとって) があるのか具体例で紹介したいと思います。
  • 2011-November-29 (Tue)
    • 講師:前田 順平 氏 (首都大学東京)
    • 時間と場所:16:30 in the 3rd lecture room
    • 題目:Double Chooz実験によるニュートリノ振動解析の最新結果 pdf
    • 概要:原子炉ニュートリノ実験Double Choozによる最初のニュートリノ振動解析の結果を報告する。Double Chooz実験ではフランス・Chooz原子炉から400m(Near検出器)と1km(Far検出器)の距離に同一構造の検出器を設置し、両者を比較することで系統誤差を相殺し、高精度でニュートリノ振動の研究を行う。2011年4月にFar検出器のコミッショニングを完了し、物理データの取得を開始した。今回はFar検出器の約100日分の物理データを用いてニュートリノ振動解析を行った。観測されたニュートリノ事象数およびエネルギースペクトルを用いた解析の結果、反電子ニュートリノの欠損が確認された。この結果は、ニュートリノ混合角θ13がゼロではない有限値を持ち、近距離での原子炉ニュートリノ振動が存在することを示唆している。この測定結果は、ニュートリノセクターにおけるCP対称性の破れの測定の可能性を拓くものである。
  • 2011-November-25 (Fri) ILC大学連携タスクフォースセミナー
    • 講師:川越清以(九州大学)、栗木雅夫(広島大学)、山下了(東京大学)
    • 時間と場所:15:00 in the 1st lecture room
    • 題目:宇宙創成の謎に迫る国際リニアコライダー計画
    • 概要:宇宙開闢から1兆分の1秒後に迫る国際リニアコライダー(ILC)は、2012年の技術設計書,測定器詳細設計の完成をめざし,国際協力体制で開発研究が進められている。本セミナーではLHCの結果がでつつある状況を踏まえ,ILCの目指す物理やそれを取り巻く国内外の状況を紹介する。
      • ILC計画の現状と将来及びILCの物理(川越)pdf : 電子陽電子衝突によるクリーンな環境を生かして,どのように宇宙創生の謎にせまるのか?素粒子物理学の現状やLHCの最新結果を踏まえ,ILCの目指す物理を解説する。また、ILC計画の全体像とその実現に向けた国内外の状況について解説する。
      • ILC加速器(栗木)pdf : 全長40kmにも及ぶILC加速器の概要を解説するとともに,建設に向けた最先端技術開発の状況,研究開発体制を解説する。 
      • ILC測定器(山下)pdf :ILCの物理を実現するためには,これまでの測定器をはるかに超える分解能が要求される。こなぜこのような分解能が要求されるのか,それをどのように実現しようとしているのか。測定器開発の状況や実機建設に向けた体制について解説する。
  • 2011-October-31 (Mon)
    • Lecturer: Dr. Holger Motz (Uni. Erlangen, Germany)
    • Time and place: 16:00 in the 3rd lecture room
    • Title: Dark Matter Search with ANTARES pdf
    • Abstract: Built in the deep sea of the Mediterranean near Toulon, France, the ANTARES neutrino telescope detects high energy neutrinos which interact inside or close to the detector and bring forth a muon which emits Cherenkov light. The detector consists of a photomultiplier array mounted on flexible strings which are anchored on the seabed. From the position and time of the measured Cherenkov photons, the direction of the muon track and thereby that of the original neutrino are reconstructed. Part of the project's physics program is to search indirectly for Dark Matter, by looking for neutrinos emitted in annihilation processes of the Dark Matter particles, which are predicted to accumulate in the centres of massive objects like the Sun and the Earth. Overviews on the ANTARES detector and recent results are given. Further, a study of the sensitivity of ANTARES to Dark Matter annihilation in the Sun as predicted by the theory of minimal Supergravity (mSugra) is presented. Concluding, the outline and applied event reconstruction of an analysis on the neutrino flux from the direction of the Earth's centre and the obtained limits on Dark Matter annihilation are explained in detail.
  • 2011-July-27 (Wed)
    • 講師:亀田 純 氏 (東京大学宇宙線研究所)
    • 時間と場所:16:30 in the 1st lecture room
    • 題目:T2K実験の最新結果 pdf
    • 概要:本発表ではT2K実験(Tokai to Kamioka ニュートリノ振動実験)の最新結果を報告する。T2K実験は、J-PARC 30GeV陽子シンクロトロンを用いて生成されたミューオン型ニュートリノを用い、295km離れた東京大学宇宙線研究所のスーパーカミオカンデへの飛行中にニュートリノのフレーバーが変化すること(ニュートリノ振動)を観測する事でニュートリノの混合角、質量差を測定する実験である。本実験の主目的の一つは、ミューオン型ニュートリノから電子型ニュートリノへのニュートリノ振動(ν_e appearance)を探索する事により、現在までに上限値しか与えられていないニュートリノ混合角の一つであるθ_13の有限値を世界で初めて測定する事である。本発表では、ニュートリノ振動に関して簡単に触れ、その後にT2K実験の概要、セットアップ等に関して説明をする。その後に実験開始の2010年1月から2011年3月までのデータを用いたν_e appearance探索の結果を報告する。また、もう一つの重要な研究対象である、ミューオン型ニュートリノのニュートリノ振動による減少(ν_μ disappearance)の研究結果も報告する予定である。
  • 2011-July-26 (Tue)
    • 講師:清水 裕彦 氏 (高エネルギー加速器研究機構)
    • 時間と場所:15:00 in the 1st lecture room
    • 題目:低速中性子を用いた高精度測定による新物理探索 pdf
    • 概要:低速中性子は顕著な波動性を持っており、波動関数の位相を利用すると、極めて微弱な相互作用を精度よく測定することが可能になる。その代表例は電気双極子能率の測定であり、標準理論を超える新物理研究の有力な手段の一つである。測定精度を高めるには、中性子を超冷領域まで減速して、物質容器に閉込めることが有効である。高精度測定には、より多くの中性子を制御された状態で計測装置に導く必要がある。特に低速中性子は検出に核反応を用いるため、飛跡検出器は事実上作れないため、結果的に光学的制御が必須となる。J-PARCの大強度陽子ビームは、極めて高い瞬間的位相空間密度を持つパルス中性子ビームをもたらした。パルスビームの場合には、光学系を中性子の到来時間に同期させることによって、より有効な光学的制御ができるため、従来の測定限界を超える物理研究が新たに可能となるものと期待している。物理測定の開始段階にある中性子寿命測定の概略を示すとともに、超冷及び熱外領域での時間反転対称性の破れ、冷及び極冷領域での短距離重力研究などの研究展開を紹介する。
  • 2011-July-08 (Fri)
    • 講師:岡田 謙介 氏 (理研BNL研究センター)
    • 時間と場所:15:00 in the 2nd lecture room
    • 題目:偏極陽子衝突実験で探る陽子スピンの秘密 pdf
    • 概要:陽子は原子核の基本要素であり、その性質は良く知られている。質量や、本講演での主題であるスピンという性質もそのひとつである。しかし物質の 階層構造を一歩下ると、その陽子もクォークやグルーオンといった素粒子が閉じ込められた集合体であり、その陽子の性質がどのように組みあがってい るのかというのはごく自然な問いである。米国ブルックヘブン研究所では、世界唯一の偏極陽子衝突型加速器(RHIC)を用いてその陽子スピンの秘密に迫っている。最近ではスピン計画の 3本柱のひとつWボゾンを用いた反クォーク成分の測定をはじめたところである。本講演ではRHIC陽子スピン実験の10年の成果について、国際コラボレーション実験PHENIXでの体験を交えて報告する。
  • 2011-July-01 (Fri)
    • 講師:後藤 亨 氏 (高エネルギー加速器研究機構)
    • 時間と場所:15:00 in the 2nd lecture room
    • 題目:フレイバー物理と標準模型を超える物理
    • 概要:Bファクトリー等の実験でフレイバー物理を調べることの意義は標準模型の検証だけではなく、標準模型を超える素粒子物理の手がかりをつかむことにあります。本講演では超対称模型等での例を紹介し、標準模型を超える物理の影響がどのようにフレイバー物理の観測量に現れることが期待されるかを解説しようと思います。
    • 講師:中村 勇 氏 (高エネルギー加速器研究機構)
    • 時間と場所:16:00 in the 2nd lecture room
    • 題目:BelleからBelle2実験へのアップグレードについて pdf
    • 概要:1999年にData Takingを開始したBelle実験は、7.7億以上のBメソン対事象を採取して、昨年6月でData Takingを終了しました。このたくさんのデータを使った解析の結果、B粒子系でのCP対称性の破れのメカニズムの解明が進み、小林益川のノーベル賞につながったのは御存じだと思います。 現在はBelle実験で取ったデータの50倍のデータを集めることが出来るように実験のアップグレードを行なっている最中です。本講演ではBelle実験とBelle2実験へのupgradeについてなるべくわかりやすく解説したいと思います。
  • 2011-June-10 (Fri)
    • 講師:田島 治 氏 (高エネルギー加速器研究機構)
    • 時間と場所:13:00 in the 2nd lecture room
    • 題目:インフレーション宇宙の痕跡を探す! - QUIET実験の初期結果 pdf
    • 概要:宇宙初期に加速度的膨張「インフレーション」があったと記述するインフレー ション宇宙論、それはビッグバン宇宙論だけでは記述しきれない観測事実を見事に説明する。そしてインフレーション宇宙論の決定的証拠となるのが、宇宙背景放射 (CMB) 偏光の特殊なパターン「Bモード」である。Bモードは未発見であり、様々な実験が壮絶な発見競争を繰り広げている。QUIET実験はBモードの発見を目指して、チリアタカマ高地(海抜5千メートル)で2年以上におよぶ観測を行ってきた。本講演ではその初期結果を報告すると共に、CMB 偏光の測定方法等も出来るだけわかりやすく説明したい。また、次期実験の計画と展望についても触れる。
  • 2011-May-27 (Fri)
    • Lecturer: Prof. Jae Yu (University of Texas at Arlington)
    • Time and place: 16:00 in the 3rd lecture room
    • Title: A Quest for the Origin of the Universe pdf
    • Abstract: High Energy Physics is a field of physics that pursues understanding the fundamental building blocks of matter and the forces between them. For these, the field uses powerful particle accelerators to probe deeper into ever smaller scales in the universe and complex detectors to analyze the phenomena emerging from the accelerator. The Large Hadron Collider experiments at CERN have started taking data early 2010 and are producing results in pursuit for the last undiscovered particle, the Higgs boson. One of the next generation particle accelerators for even more precise understanding of the universe is that collides electrons and positrons on a straight line. The UTA High Energy Physics group has been working on developing an advanced calorimeter - an energy measuring device - for this and other future accelerators using a new detector technology, the Gas Electron Multiplier (GEM). In the process of development, we have noticed that GEM detector is sensitive to X-rays and other radiations and have started collaborating with many institutions around the world, including the University of Texas at South Western Medical Center, for its use in everyday lives. In this talk, I will explain High Energy Physics, selected recent results from the ATLAS experiment at the Large Hadron Collider, the linear collider and the principles of GEM detector and its potential use on everyday lives.