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[[ExperimentalParticlePhysics]]
*EPP Seminar [#r41e1721]
**2023 [#z414e664]
-2023-April-25 素粒子実験セミナー
--講師;三部勉氏(高エネルギー加速器研究機構素粒子原子核研究所・教授)
--時間と場所:15:15 - 16:15 D414教室 (IMIコンフェレンスルーム)
--題目:ミューオン g-2 と EDM の精密測定で調べる素粒子標準理論の綻び
--概要: 多くの実験事実と、数学的な整合性を基盤に築き上げられた素粒子標準理論は、様々 な素粒子現象を定量的に説明する極めて堅牢な理論である。しかしながら、近年の研究 により必然的に素粒子標準理論を超える新しい物理法則の存在が要請されている。ミュ オン異常磁気能率(g-2)は素粒子標準理論よりも大きな値を持つことが示唆されてお り、新しい測定が求められている。また、電気双極子能率(EDM)は時間反転対称性を破るため、未知の物理法則の対称性を研究する有力な手段である。我々はJ-PARCの大強度陽子ビームの特徴を最大限に生かし、新しい実験技術と組み合わせることにより、従来とは異なる研究手法によりミュオンg-2および電気双極子能率の超精密測定を行い、素粒子標準理論と比較することで新物理の存在に迫る。実験の要となるのが、ミューオン の崩壊で生成する陽電子の飛跡を正確に測定する陽電子飛跡検出器である。陽電子飛跡 検出器はシリコンセンサーを用いた飛跡検出器であり、九州大学素粒子実験研究室と共同で設計から製作・評価まで一貫して行なっている。本講演では物理背景、実験概要、 準備状況について紹介する。
-2023-April-07 素粒子実験セミナー
--講師;外川学氏(高エネルギー加速器研究機構素粒子原子核研究所・准教授)
--時間と場所:16:30 - 17:30、 B212教室
--題目:エネルギーフロンティア研究で用いる半導体検出器最前線
--概要: 半導体検出器はミクロン精度で荷電粒子の位置測定が可能であり、現在の加速器実験で欠かせない検出器の一つとなっている。近年の加速器実験では、高エネルギー、高輝度化が進んでおり、その環境に耐えるべく半導体検出器も進化してきた。
高エネルギー加速器研究機構・エネルギーフロンティアグループでは、将来の加速器 実験を視野に入れた、半導体検出器の開発を進めている。本講演では、読み出し回路一 体型のモノリシック検出器、高速時間応答を備えた半導体検出器、シリコン以外の素材 を用いた、高放射線耐性を持つ半導体検出器の開発について紹介する。また、これらの 検出器がどのような分野で応用できるかの検討も紹介したい。
**2022 [#kf83bc6a]
-2022-December-22 第7回物理学教室談話会
--講師;川崎真介氏(高エネルギー加速器研究機構・准教授)
--時間と場所:16:40 - 18:10、 B211教室
--題目:TUCANによる中性子電気双極子モーメント探索実験
--概要:中性子などの基本粒子が有限の値の永久電気双極子モーメント(Electric Dipole Moment : EDM)を持つ場合、時間反転対称性を破る。CPT保存を仮定すればそれはCP対称性の破れを意味する。現在発見されているCP対称性の破れは観測されている宇宙の物質・反物質間の非対称性を説明するには十分でなく、新たなCPの対称性の破れの候補としてEDMの探索を行っている。中性子EDM探索は超冷中性子(Ultra-Cold Neutron: UCN)という極低エネルギーの中性子を用いて行う。UCNは運動エネルギーが300 neV以下の中性子のことを指し、物質表面で全反射するという特徴を持っている。このUCNを電磁場中に置かれた物質容器中に閉じ込め、その電磁場との相互作用によって生じるスピン歳差運動の様子を精密に観測することによって中性子EDMの測定を行う。これまでの観測上限値はPSI研究所が報告した1.8×10-26ecmである。
日本・カナダ間の国際共同実験であるTUCAN (TRIUMF Ultra-Cold Advanced Neutron)コラボレーションは大強度のUCN源を建設することで、測定感度を1桁以上更新する10-27 ecmでの測定を行うことを目指している。核破砕反応を用いた加速器中性子源と超流動ヘリウムをUCNコンバーターに用いたスーパーサーマル法を用いることで大強度のUCN生成が可能となる。セミナーではこれまでの中性子EDM測定実験の紹介や、TUCANの最新状況を報告する
-2022-December-08 第6回物理学教室談話会
--講師;手嶋政廣氏(東京大学・宇宙線研究所・教授)
--時間と場所:16:40 - 18:00、 B211教室
--題目:高エネルギーガンマ線天文学の現状と将来
--概要:高エネルギーガンマ線天文学は過去30年ほどで大きく発展してきた新たな宇宙物理学の分野です。HESS,MAGIC,VERITASは地上に展開するチェレンコフ望遠鏡により、250を超える多種多様な高エネルギー天体を観測してきました。銀河内では超新星残骸、パルサー星雲、連星天体、銀河中心、銀河面の拡散ガンマ線が観測され、銀河系外では電波銀河、クエーサー、活動銀河核、ガンマ線バーストが観測され、これら天体での高エネルギー現象、銀河内での宇宙線の伝播を明らかにしてきました。さらなる発展を目指して、国際プロジェクトCTAがいよいよ建設フェーズに入っています。CTAは1000名を超える研究者が集まり、大規模なチェレンコフ望遠鏡を北半球カナリア諸島、南半球チリに建設するものです。本講演では、高エネルギーガンマ線天文学の科学的成果、サイエンス、そして将来へむけての準備状況を議論、報告します。
-2022-January-26 第8回物理学教室談話会
--講師;花垣和則氏(高エネルギー加速器研究機構・素粒子原子核研究所・教授)
--時間と場所:16:30 - 17:30、 B211教室
--題目:LHC実験の近況とこれから
--概要:欧州原子核研究機関で実施されているLHC実験の近況と今後の予定について解説する。LHC実験は重心系エネルギー13TeVで陽子同士を衝突させるコライダー実験で、これまでにヒッグス粒子を発見するなどの大きな成果を出してきた。本講演では、ヒッグス粒子の測定や新粒子探索を中心としたこれまでの物理結果のハイライトと、現在運転を休止して進められているアップグレードの状況、さらには、数年後に予定されている高輝度化計画を中心にお話する。
**2021 [#r1734982]
-2021-December-09 第4回物理学教室談話会
--講師;栗木雅夫氏(広島大学・先進理工系科学研究科・教授)
--時間と場所:16:40〜 B211教室
--題目:加速器の発展における国際リニアコライダー計画の意義
--概要:加速器は20世紀初頭の黎明期から、その加速エネルギーを急速に増大させてきた。放射光による物質科学研究、各種ビームによる材料プロセス、PETやがん治療など、その利用に広がりを見せている一方で、加速器高エネルギー化の最大の駆動力は素粒子・原子核研究であることは論を待たない。中国やCERNが提案している円形コライダーを含めた加速器科学の動向と、ILC計画の、加速器の発展における位置づけについて考察したい。
-2021-January-28 第10回物理学教室談話会
--講師;小林隆氏(高エネルギー加速器研究機構・素粒子原子核研究所・教授)
--時間と場所:16:30〜 IMIオーディトリアム (W1-D-413)
--題目:加速器からの人工ニュートリノで探る宇宙の物質起源
--概要:茨城県東海村の大強度陽子加速器J-PARCを用いてニュートリノを生成し、
300 km地中を走らせ、岐阜県神岡の検出器スーパーカミオカンデで捉えるT2K実験が進行中である。
T2K実験は世界で初めてミュー型ニュートリノが電子型ニュートリノに変化することを発見した。
現在は、ニュートリノと反ニュートリノで、その変化の割合に違いがあるか(CP対称性の破れ)を調べている。
これまでのデータで、CP対称性が敗れている可能性が約95%と結果が得られている。
もしCP対称性が破れていると、
現在未解明である、なぜ宇宙に物質が存在するのか、
という根源的な問題の解明に向けた大きなフレークスルーとなる可能性がある。
また、スーパーカミオカンデの次世代検出器として、
約10倍の大きさのハイパーカミオカンデ(HK)検出器が2027年稼働開始を目指して建設が始まった。
HK検出器でもJ-PARCからのビームを検出する実験を計画しており、
ニュートリノのCP対称性の破れの存否に最終決着をつけるのみならず、
その大きさの精密測定などを目指す。本講演では、T2K実験の最新結果とハイパーカミオカンデ計画を紹介する。
-2021-January-19 第9回物理学教室談話会
--講師;神田展行氏(大阪市立大学・理学研究科・教授)
--時間と場所:16:40〜 オンライン (ZOOM)
--題目:重力波天文学の黎明
--概要:2015年に連星ブラックホールの合体からの重力波が観測されて以来、
堰を切ったように次々と天体起源の重力波が観測され、
波形が公開されている観測だけでもすでに50事象に達している。
2017年に発見された連星中性子星合体は従来から強く期待されていた重力波源であり、
ガンマ線バーストやキロノバといった電磁波観測との同時観測・追観測が成功して
「重力波マルチメッセンジャー観測」の幕開けを告げた。
一方で、初観測の約30太陽質量のブラックホールの起源はまだ解っていないし、
質量ギャップと呼ばれる通常では形成の難しい質量帯での連星合体も発見されている。
天文学だけでなく、中性子星における高密度核物質の状態方程式やブラックホール時空の探査といった、
基礎物理学的な重要課題もある。
このように新しい情報ももたらしつつ急速に進んでいる重力波天文学の展望について述べる。
-2021-January-06 素粒子実験・素粒子理論合同セミナー
--講師;三部勉氏(高エネルギー加速器研究機構・素粒子原子核研究所・准教授)
--時間と場所:15:0016:30 B-211
--題目:ミューオン異常磁気能率と電気双極子能率の精密測定
--概要:ミューオンはスピン1/2を持つ素粒子で、双極子能率を通して磁場や電場と相互作用する。ミューオンの異常磁気(双極子)能率(g-2)は素粒子標準理論において極めて精密に計算することができる。先行実験ではミューオンg-2の測定値が標準理論の予想値よりも大きいという兆候が示された。現在、米国では従来の方法で新しい測定が行われている。日本ではミューオンを冷却して加速するという新しい方法でこの問題を解決すると共に、ミューオンの電気双極子能率を世界最高感度で探索する実験の準備を進めている。本セミナーではミューオンのg-2と電気双極子能率の精密測定の最前線について平易に解説する。
**2020 [#tc67625e]
-2020-January-23
--講師;下村浩一郎氏(高エネルギー加速器研究機構・物質構造科学研究所・教授)
--時間と場所:16:30 B-212
--題目:21世紀の素粒子ミュオン - 基礎から応用研究まで -
--概要:ミュオンは、素粒子標準模型では、
電子の仲間(第2世代荷電レプトン)と位置づけられ、
質量をのぞけば性質が電子と酷似する。
電子では軽すぎて新物理への感受性が弱く、
第3世代のタウ粒子では寿命が短すぎて精密測定ができない。
ミュオンはほどほどの質量と寿命を持ち、
標準模型の最高度の検証あるいは新物理を探索するプローブとして最適である。
実際、長年に渡り研究が世界各地で行われている。
そして、現在、ミュオン自身そしてミュオンを含む複数の物理現象として
素粒子標準模型では説明がつけ難いものが複数知られている。
本講義ではこのようなミュオンに関わる基礎物理研究の現状を中心に、
併せて近年、進展が著しいミュオンを使った応用研究にふれ、この分野を概観する。
**2019 [#r63a4f9d]
-2019-November-21
--講師:Dr. Tomas Jakoubek (Institute of Physics, the Czech Academy of Science)
--時間と場所:16:40 B-212
--題目:Measurement of CP violation and mixing in B0s → J/ψϕ decay in ATLAS  [[pdf:http://epp.phys.kyushu-u.ac.jp/documents/cpv_in_bsjpsiphi_jakoubek_kyushu_20191121.pdf]]
--概要:The Standard Model can not sufficiently explain the large matter-antimatter
asymmetry observed in the Universe. The B0s→ J/ψϕ decay channel is
expected to be sensitive to possible new contributions to the CP-violation
phenomena. The talk will cover the latest results of the high precision
measurement of CP-violation parameters in the B0s → J/ψϕ decay in pp
data collected using the ATLAS detector.
-2019-November-7
--講師:山中卓氏 (大阪大学大学院理学研究科)
--時間と場所:16:40 B-212
--題目:稀なK中間子崩壊で新しい物理を探るJ-PARC KOTO実験  [[pdf:http://epp.phys.kyushu-u.ac.jp/documents/kyushu_seminar_2019-11.pdf]]
--概要:J-PARC KOTO実験は、中性K中間子のK_L —> pi0 nu nu-bar という稀な崩壊を用いて、標準理論を超える新しい素粒子物理を探索している。この崩壊は標準理論による寄与が非常に小さいため、新しい物理に対する感度が高い。ただしその実験手法は非常に難しいために、実験装置や解析方法などをさまざまなに工夫・改良してきた。それらの成果、現状、将来について紹介する。
**2018 [#b3b8578f]
-2018-December-12 (Wed)
--講師;Prof. Daniel JEANS(IPNS, KEK) [[pdf:http://epp.phys.kyushu-u.ac.jp/documents/KyushuSeminarDaniel.pdf]]
--時間と場所:16:40 W1-A-711
--題目:The International Linear Collider Project
--概要:The ILC has been developed over the last 10+ years by researcher from across the world. The project is now being considered by the government in Japan, with an answer expected in the next month. I will describe the motivations behind the project, overview the design of the collider and its experiments, and summarise its expected results.

-2018-November-01 (Thu)
--講師;飯嶋徹氏(名古屋大学素粒子宇宙起源研究機構現象解析センター・教授)
--時間と場所:16:40 B-212
--題目:SuperKEKB/Belle II 実験の状況と今後の展望
--概要:Bファクトリー実験における小林-益川理論の検証やLHC実験での
ヒッグス粒子の発見がなされてなお、力の統一や、宇宙の物質優
勢、暗黒物質の正体などの謎が残されており、その解明に向けて、
標準理論を超える新しい物理の発見が重要となっている。
SuperKEKB/Belle II 実験は、その前身であるKEKB/Belle実験の40
倍に及ぶルミノシティーで、年間に100億個ものB中間子やタウレ
プトンを大量に生成し、その崩壊過程に出現する新物理の信号を
高感度で捉えることを目指している。
この実験は、2010年に建設が始まり、本年4月に電子-陽電子の初
衝突を観測、2019年からいよいよ本格始動の予定である。
本談話会では、SuperKEKB/Belle II実験の目指す物理研究、最近
の進展、今後の計画を紹介する。
特に近年、標準理論からの乖離が注目されているB 中間子のセミ
レプトニック崩壊におけるレプトン普遍性の検証について、その
現状と今後の展望について議論したい。
-2018-July-02 (Mon)
--講師;Dr. Abdollah Mohammadi(Kansas State University)
--時間と場所:16:40 W1-B212
--題目:Search for the Exotic Decays of the Higgs boson at CMS experiment at LHC
--概要:Discovery of the Higgs boson by the ATLAS and CMS experiment has been an outstanding triumph for the Standard Model(SM). Even though the Higgs boson has been the last piece of SM puzzle, yet new physics, including new particles, is needed to unravel some of the unknowns in High Energy Physics domain. Some of these new particles can arise from the decay of the 125-GeV SM Higgs boson as well. Combination of the ATLAS and CMS run 1 results still allows a non-negligible branching fraction for non-SM decays of the Higgs boson, up to ~ 30%. In the presentation, I will review the most recent searches done in CMS experiment on the exotic decays of the SM Higgs boson.
&aname(Kajita2018);
-2018-April-15 (Sun)
伊都キャンパス完成記念事業 梶田隆章氏講演会
--会場:椎木講堂コンサートホール
--講師:川越清以氏(九州大学先端素粒子物理研究センター長)
---題目:梶田先生をお迎えして -素粒子研究の紹介-  [[pdf:http://epp.phys.kyushu-u.ac.jp/documents/180415KawagoeKyushu.pdf]]
--講師:梶田隆章氏(東京大学宇宙線研究所長)
---題目:神岡から探る宇宙と素粒子 -ニュートリノと重力波-  [[pdf:http://epp.phys.kyushu-u.ac.jp/documents/180415KajitaKyushu.pdf]]
-2018-March-7 (Wed)
--講師:川崎真介氏(高エネルギー加速器研究機構)
--時間と場所:16:30 W1-B211
--題目:超冷中性子を用いた電気双極子モーメント探索実験
-2018-February-20 (Tue)
--講師:Hai-Bo Li 氏(中国科学院高能物理研究所)
--時間と場所:16:30 W1-B212
--題目:CP Violation in Particle Physics
--概要:There has recently been a dramatic renewal of interest in the subjects of hadron spectroscopy
and charm physics. This renaissance has been driven in part 
by the discovery of a plethora of charmonium-like XYZ states at the B factories and BES-III experiment, 
and the observation of an intriguing proton-antiproton threshold enhancement and the possibly related X (1835) meson state at BES-III, 
as well as the threshold measurements of charm mesons and charm baryons. 
I will talk about the recent status of the BESIII experiment and its upgrade. 
**2017 [#y403e3a3]
-2017-December-21 (Thu)
--講師;幅 淳二 氏(高エネルギー加速器研究機構)
--時間と場所:16:40 W1-B212
--題目:ここまで進んだSOIセンサーの開発  [[pdf:http://epp.phys.kyushu-u.ac.jp/documents/20171221Haba.pdf]]
--概要:KEK測定器開発室では2006年より高機能半導体技術であるSilicon-On-Insulator(SOI)テクノロジーを用いた、次世代放射線センサー(SOIピクセル検出器)の開発を進めてきた。光、X線、荷電粒子の高精細2次元検出において、CCDやCMOSセンサー、あるいはバンプ接合を使ったハイブリッドといった従来型ピクセル検出器の長所の全てを合わせもつ、究極のセンサーとして期待される技術であるが、克服すべき課題も少なくなかった。本セミナーでは、そうした課題にもほぼ見通しが立ち、いよいよ高性能実用システムとしてその真価を世に問うSOIピクセルセンサーの現状を報告する。
-2017-November-17 (Fri)
--講師;須田 利美 氏(東北大学 電子光理学研究センター)
--時間と場所:14:30 W1-B212
--題目:Proton Size - electron scattering off proton at the lowest-ever momentum transfer  -
--概要:Proton is the primary building block of the “visible” universe, and its internal structure has been intensively studied since its discovery. Today, we are facing to confusion about its size, referred to as “Proton Radius Puzzle”. It is a big surprise to realize that we do not yet, even today, fully pin down the most basic characteristics of the proton after its first determination by R. Hofstadter half a century ago. The proton size, the root-mean-square charge radius, has been so far determined by electron scattering, and hydrogen spectroscopy of the normal atoms as well as the muonic atoms. The latest determination of the proton radius using muons, 0.84 fm, disagrees by 4 % with one determined by electrons, 0.88 fm. Intensive discussions on possible reasons of this discrepancy, including critical reviews of past analysis of experimental data, have been going on, but the situation is not yet clear. Since one possible reason was suggested to be a non-identical nature of electron and muon in their interaction, this puzzle turned out to attract much attention in our physics community. It is known that the radius determination from electron scattering data as well as hydrogen spectroscopy is somewhat model dependent. In order to diminish model dependence in the radius determination, we are going to carry out electron scattering under the kinematics of the lowest-ever momentum transfer at Research Center for Electron-Photon Science (ELPH), Tohoku University. It is worth emphasizing here that ELPH is the only place in the world, where such a low-energy electron scattering experiment is possible. In my talk, after a brief overview of “Proton Radius Puzzle”, I will discuss in details on the on-going electron-scattering project at our laboratory.
-2017-November-15 (Wed)
--講師;与那嶺 亮 氏(東北大学理学研究科)
--時間と場所:15:30 W1-B816
--題目:TPCを用いた低エネルギー宇宙ガンマ線検出の試み (HARPOプロジェクト)
--概要:宇宙観測において、宇宙から飛来する電磁波は重要な情報源であり、あらゆる波長で、高い角分解能を持って観測することが求められている。現在の宇宙ガンマ線観測において、1MeV-1GeVのエネルギー領域で、角度分解能の感度が落ちるギャップが存在し、偏光度測定にいたっては、公式な報告はまだ存在しない。その理由は、このエネルギー領域では、電子・陽電子が比較的低エネルギーで生成され、多重散乱によりそれらの角度情報が簡単に失われてしまうためであり、現行のフェルミガンマ線宇宙望遠鏡だけではカバーしきれていない。
そこで、1MeV~1GeVのギャップを埋める一つの解決策として、フランスのEcole PolytechniqueとCEA/Saclayを中心にHARPOプロジェクトが立ち上げられ、ガス検出器をアクティブターゲットとしてγ線観測に用いることを検討している。本報告では、ガス検出器のγ線観測への応用可能性についての議論と、実際に試験機を用いたγ線ビーム試験の結果を紹介する。
-2017-November-02 (Thu)
--講師:有賀 智子 氏  (九州大学基幹教育院) 
--時間と場所:16:30 W1-B212
--題目:エマルショントラッカーを用いた素粒子実験および地球科学分野での応用
--概要:エマルション検出器は写真フィルムの一種であり、粒子検出器の中で最も
高い位置精度を持つ3D トラッキングデバイスである。
その強みを生かし、ニュートリノなどの基礎物理学実験はもちろん、地球科学や医療分野等での応用も
展開されている。
ここではまず、私が提案している
CERN
SPS
400
GeV
陽子ビームを用いたタウニュートリノ生成の研究について紹介する。この実験の成果
はタウニュートリノ反応断面積の精密測定に不可欠である。タウニュートリノ
ビームの生成源は、高エネルギー陽子反応で発生する
Ds
粒子のタウ粒子への崩壊と続いて起こるタウ粒子の崩壊である。
この実験では、数
mm
という短い飛距離でのダブルキンクを幾何学的に検出するという独創的な手法をとる。50
nm
という高い位置精度を有するエマルション検出器を用いることにより、数mrad
という微小な折れ曲がりを特徴とするDs
粒子のタウ粒子への崩壊を検出する。
2×10^8
陽子反応を解析し、Ds
粒子のタウ粒子への崩壊事象を約
1000事象検出
することを目指している。
その他、反物質の研究のための検出器開発や、他分野への応用として行っている
宇宙線ミューオンラジオグラフィーを用いたスイス山岳氷河のイメージングなどについても紹介する。
-2017-October-11 (Wed)
--講師:Stephane Callier 氏  (CNRS/IN2P3/OMEGA) 
--時間と場所:16:30 W1-B816
--題目:Integrated Readout Electronics for Multi-channel Sensors
--概要:OMEGA is a French laboratory highly specialized in microelectronics design. This includes both analogue and digital ASICs (Application Specific Integrated Circuit). OMEGA is in charge of the development and of the production of the readout devices for the CALICE collaboration and for the upgrades of the calorimeters of ATLAS and CMS at LHC@CERN. These ASICs developed by OMEGA will be presented during this seminar. 
These devices are more and more complex and are now real System-On-Chip (SoC) embedding several functionalities (charge measurement, triggers, time measurement, integrated ADCs …). These chips can be used for different detector readout such as Silicon based devices (SiPM (MPPC), Si PIN diodes, APD …) or (MA-PMT) or gaseous detectors (RPCs, GEMs, Micromegas…). The main application fields of these chips is particle physics and nuclear physics but some devices can be used for other applications (medical imaging, volcanology …). 
A short introduction about (micro-)electronics for particle physics requirements will also be included.
-2017-July-14 (Fri)
--講師:下村 浩一郎 氏  (KEK/大阪大学) 
--時間と場所:15:00 W1-B212
--題目:ミュオニウム超微細構造の精密測定
--概要:ミュオニウムは、正電荷を持つミュオンと電子の束縛系で、
水素原子と極めて似た性質を持っている。
またレプトンのみから構成されているので、
高精度な実験と理論の比較が可能である。
ミュオニウムは物質中では水素不純物をよくシミュレートするため、これまでも様々な研究が行われて来た。
本講演では別の側面、基礎物理学的興味から現在J-PARCで進められているミュオニムの超微細構造精密測定について、
物理的意義と現状を、できるだけ基礎から分かりやすく紹介したい。
**2016 [#c5b55eeb]
-2016-December-20 (Tue)
--講師:清水 裕彦 氏  (名古屋大学) [[pdf:http://epp.phys.kyushu-u.ac.jp/documents/20161220Shimizu.pdf]]
--時間と場所:17:00 W1-B212
--題目:中性子を用いた素粒子物理
--概要:超冷中性子から熱外中性子を用いた基礎物理を概説する。
特に、時間反転対称性の破れの高精度測定による新物理探索について、
これまでの試みと実験的精度を制限している要素について議論し、
その制限を超える方法を考察する。
-2016-October-20 (Thu) ILC大学連携タスクフォースセミナー
--講師:ジャクリン ヤン 氏(KEK)、倉田正和 氏(東京大学)
--時間と場所:16:30 物理第3講義室(W1-D-315)
--題目:宇宙創成の謎に迫る国際リニアコライダー計画
---ILCの物理(倉田)[[pdf:http://epp.phys.kyushu-u.ac.jp/documents/ILCPHYS_Kyushu.pdf]]
---ILCの加速器(ヤン)[[pdf:http://epp.phys.kyushu-u.ac.jp/documents/ILC-Kyuushuu-161020.pdf]]
--概要:国際リニアコライダー(ILC)は次世代の電子陽電子衝突エネルギーフロンティア加速器として、
世界中の研究者の国際協力のもと研究開発・設計が行われています。
国際プロジェクトILCの日本国内誘致に向けた動きも加速しています。
本セミナーでは、ILCで期待されるヒッグス粒子やトップクォークの研究と新粒子発見の可能性、
最先端の超伝導加速技術を用いた加速器設計、およびILC計画を実現するための国内外の取り組みについて、
ILC計画に携わる若手研究者が分かりやすい内容で解説します。(言語:日本語)
-2016-October-11 (Tue)
--講師:山本 明 氏  (KEK)
--時間と場所:16:40 W1-B212
--題目:超伝導スペクトロメータによる、宇宙起源反粒子・反物質探索: BESS 気球実験  [[pdf:http://epp.phys.kyushu-u.ac.jp/documents/Kyushu-BESS-Seminar-161011fs.pdf]]
--概要:宇宙線観測を通した、宇宙起源反粒子の精密観測、宇宙反物質探索実験及び
超伝導技術を駆使し、永久電流化された超伝導スペクトロメータを用いた、
気球による宇宙素粒子実験 (BESS) を紹介する。
NASA/NSF との協力による南極上空周回気球実験においてy~25 日間の
連続観測に成功した、かつてない高い観測感度での探索実験の経過と
結果を報告する。
-2016-September-26 (Mon)
--講師:山崎 高幸 氏  (東京大学ICEPP)
--時間と場所:10:30 W1-B816
--題目:光を使って真空を探る [[pdf:http://epp.phys.kyushu-u.ac.jp/documents/seminar_kyushu_20160926_nobackup.pdf]]
--概要:山崎氏は東大ICEPPの小林・浅井グループで主にポジトロニウムを使った
小実験で標準模型を超える現象を探索する実験を推進してこられました。
最近では理研のSPring8やSACLAの高強度X線源や高磁場を使って
真空の特性を測る実験などを提案・推進しています。
今回はそうしたLHC, ILCなどの大実験と相補的な
小実験による新物理探索についてお話しいただきます。
-2016-January-29 (Fri) ILC大学連携タスクフォースセミナー
--講師:ジャクリン ヤン 氏(KEK)、栗木 雅夫 氏(広島大学)
--時間と場所:16:30 物理第3講義室(W1-D-315)
--題目:宇宙創成の謎に迫る国際リニアコライダー計画
---ILCの物理と測定器(ヤン)[[pdf:http://epp.phys.kyushu-u.ac.jp/documents/ILC-Kyushu-160129-JYan.pdf]]
---ILC加速器と計画の概要(栗木)[[pdf:http://epp.phys.kyushu-u.ac.jp/documents/2016kyushu.pdf]] 
-2016-January-07
--講師:織田 勧 氏  (九州大学)
--時間と場所:16:30 W1-B816
--題目:LHC 13 TeV Run の結果 [[pdf:http://epp.phys.kyushu-u.ac.jp/documents/13TeV_v2.pdf]]
--概要:LHCは2015年に衝突エネルギーを13TeVに増強して運転を再開した。
本セミナーでは、12/15のCERN Seminarで報告されたATLAS実験、CMS実験の成果を紹介する。
**2015 [#c770bfb4]
-2015-December-14
--講師:三部 勉 氏  (高エネルギー加速器研究機構)
--時間と場所:16:30 W1-B212
--題目:極冷ミューオンビームを用いたミューオンg-2/EDM精密測定 [[pdf:http://epp.phys.kyushu-u.ac.jp/documents/Seminar_20151214_mibe_pub.pdf]]
--概要:パイオンの崩壊によってできるミューオンを一旦静止させ、再加速すると
エミッ タンスが極めて小さい「極冷ミューオンビーム」ができる。J-PARCでは世界で初めてそのようなビームが生成されようとしている。
それを蓄積し、崩壊陽電子の 飛跡を測定することで、
まったく新しい実験手法でミューオンの異常磁気能率 (g-2)と電気双極子能率(EDM)が精密に測定できる。
本セミナーでは実験概要と準備状況について紹介する。
-2015-November-09
--講師:中家 剛 氏  (京都大学)
--時間と場所:16:30 W1-B212
--題目:ニュートリノ振動:T2K実験からハイパーカミオカンデへ [[pdf:http://epp.phys.kyushu-u.ac.jp/documents/neutrino2015.pdf]] 
--概要:1998年のスーパーカミオカンデによる大気ニュートリノ振動の発見以来、ニュートリノ振動の研究はその後の太陽ニュートリノ振動の発見、T2K実験等による第3の混合角による電子ニュートリノ出現事象の発見等、急速に進展してきた。現在は、ニュートリノを使った粒子・反粒子対称性(CP対称性)の破れの測定が主テーマとなってきている。本講演では、T2K実験における電子ニュートリノ出現発見から、反ニュートリノ振動の研究、そしてCPの破れの研究の最新結果について報告し、将来計画であるハイパーカミオカンデ実験まで紹介する。
-2015-June-21
--講師:音野 瑛俊 氏 (九州大学)
--時間と場所:13:30 第一会議室
--題目:Long-lived new particle search at the LHC
--概要:Quite a few new physics beyond the Standard Model predict long-lived particles, which have a flight length of more than O(1) mm at the collision point of the LHC. In order to search the long-lived particles, the ATLAS experiment has developed dedicated technique to reconstruct the displaced vertex, and has searched long-lived gluino up to 1500 GeV in the context of the supersymmetric theories. Toward the 13 TeV collision from this month, we have considered a new scenario which makes "low" mass displaced vertex with an invariant mass of O(10) GeV, which is favoured from gaugino coannihilation process for bino-dark matter. We would like to discuss on the discovery potential of this scenario in this seminar.
-2015-June-17
--講師:Dr. Jan Strube (PNNL)
--時間と場所:15:00 in the 1st lecture room
--題目:ILC activities in the US
--概要:The International Linear Collider is a proposed electron-positron collider with a baseline collision energy of 500 GeV. The clean environment of the collisions combined with the high performance of the  detectors allow for a physics program that adds significantly to the reach of the LHC. We will motivate the physics case for this machine and review the highlights of the proposed 20-year program. We will then give an overview of the ongoing R&D in both, accelerators and detectors that enables this program, with special focus on activities in the US.
**2014 [#n6426e71]
-2014-November-25 (Tue)(第6回物理学教室談話会)
--講師:栗木 雅夫 氏(広大)
--時間と場所:15:30 物理第一会議室
--題目:加速器科学の動向と、国際リニアコライダー計画の位置づけ [[pdf:http://epp.phys.kyushu-u.ac.jp/documents/Seminar_Kuriki.pdf]]
--概要:加速器は20世紀初頭の黎明期から、その加速エネルギーを急速に増大させてきた。放射光による物質研究、各種ビームによる材料プロセス、PETやがん治療など、その利用に広がりを見せている一方で、加速器の高エネルギー化の最大の駆動力は素粒子・原子核研究であることは論を待たない。現在、計画中の国際リニアコライダーILC計画を中心に、加速器科学の動向と、ILC計画の加速器としての位置づけについて述べる。
-2014-November-11 (Tue)(第5回物理学教室談話会)
--講師:羽澄 昌史 氏(KEK)
--時間と場所:17:00 物理第三講義室
--題目:インフレーション宇宙を探る宇宙マイクロ波背景放射の観測
--概要:宇宙マイクロ波背景放射(CMB)の観測は、我々の驚くべき宇宙を明らかにしてきた。現在最も注目されているのは、CMB偏光の精密観測である。熱いビックバン以前を記述する最も有望な仮説であるインフレーション理論は、インフレーション時代に生成された原始重力波が、CMB偏光マップにB-modeとよばれる特殊なパターン刻印をしたと予言している。B-modeを発見できれば、インフレーションモデルの検証はもとより、背後にある量子重力理論のテストも可能になる。つまり超ひも理論に代表されるような究極理論候補の実験的検証への道が拓かれるのである。本公演では、CMB偏光観測の最前線について現状と将来を概観する。
-2014-June-18 (Wed)
--講師:田辺 友彦 氏(東大ICEPP)
--時間と場所:13:00 物理第三講義室
--題目:ILCの物理と展望
--概要:素粒子物理学の発展の歴史と現状と,LHC (Large Hadron Collider) 実験の結果と展望をふまえ,国際リニアコライダー(ILC)の目指す物理を解説する。ILCは,スイス・ジュネーブにて2008年から運転が行われ,2012年にヒッグス粒子を発見したLHC実験と相補的にTeVエネルギーの新物理を探究する次世代加速器で,
国際協力により開発・検討が進められており,近い将来の国内への建設が有望視されている。本セミナーでは,電子陽電子衝突によるクリーンな環境を生かし,ヒッグス粒子やトップクォークの性質の精密測定を通した新物理の研究や,ダークマター粒子をはじめとしたカラーを持たない新粒子の直接探索など,ILCにおける大きな発見の可能性を紹介し,ILCの物理的意義を明確にしたい。また,ILC計画の進行状況についても国内外の状況について簡単に紹介する。
-2014-March-17 (Mon)
--講師:茅根 裕司 氏(KEK/UC Berkeley)
--時間と場所:16:30 物理第三講義室
--題目:宇宙マイクロ波背景放射偏光観測実験POLARBEARによる重力レンズ起源B-mode偏光の検出 [[pdf:http://epp.phys.kyushu-u.ac.jp/~yoshioka/files/2014-03-17_POLARBEAR-1_First_Results_Seminar_at_Kyushu_Yuji_web.pptx.pdf]]
--概要:POLARBEAR実験は、ニュートリノ質量和の精密測定およびGUTスケールでの物理の解明を目指し、南米チリのアタカマ砂漠標高5,200mで、2012年初頭から、宇宙マイクロ波背景放射(Cosmic Microwave Background radiation, CMB)偏光の観測を行っている。ニュートリノの存在は、宇宙の構造形成に影響を与える。その影響度合いはニュートリノの質量和に依存し、重力レンズ効果を通じて測定する事が可能である。重力レンズ効果により、CMB偏光の小角度スケールにB-mode偏光と呼ばれる特徴的なパターンが刻まれるため、この小角度のB-mode偏光を精密に測定する事で、ニュートリノの質量和を測定する事が可能である。一方宇宙の極初期に於いては、原始重力波が生成されたと考えられている。この原始重力波は宇宙の晴れ上がり時と再電離の時期に、CMB偏光に大角度スケールのB-mode偏光を残す。原始重力波の大きさは、初期宇宙のエネルギースケールに依存するが、その大きさはGUTスケール程度だと考えられる。その為、大角度スケールのB-mode偏光を介し原始重力波の大きさを測定する事で、GUTスケールの物理に迫る事が可能である。POLARBEAR実験は、超高感度な1274個のTES(transition-edge sensor)ボロメータと3.5mの専用望遠鏡を用いることで、世界最高感度で大角度および小角度スケール両方でB-mode偏光の観測が可能な、ユニークな実験である。現在迄の観測では、重力レンズ起源B-mode偏光検出に特化したdeep surveyを行い、初検出を目指しデータ解析を精力的に進めて来た。この講演では、CMBの物理と実験の基礎を解説した上で、POLARBEAR実験が達成した重力レンズ起源B-mode偏光の検出についてまとめる。可能ならば、この結果によるニュートリノ質量和への制限についても言及し、将来、POLARBEAR実験でどこ迄精密にニュートリノ質量和を測定出来るのかについても議論する。最後に、原始重力波起源B-mode偏光観測のスケジュールについても話す予定である。
**2013 [#p74a5110]
-2013-November-18 (Mon)
--講師:森 俊則 氏(東京大学素粒子物理国際研究センター)
--時間と場所:16:30 物理第一会議室
--題目:ミューオンで探る素粒子の大統一理論
--概要:昨年のヒッグス粒子の発見によって素粒子の標準理論の枠組みが概ね正しかった事が分かり、今後は標準理論を超える新物理の探求がますます重要となっている。ここでは、「重い電子」ミューオンの非常に稀な崩壊現象の探索を通して素粒子の大統一理論に迫ろうとするMEG実験について紹介する。
-2013-November-06 (Wed)
--講師:Dr. Felix Sefkow (DESY)
--時間と場所:10:30 in the 3rd lecture room
--題目:Nobel Detector Concepts and Technologies for the ILC [[pdf:http://epp.phys.kyushu-u.ac.jp/documents/LCDetFukuoka.pdf]]
--概要:The exciting physics opportunities at the international linear collider ILC have spurred the development of novel detection concepts and technologies. The quest for precision rather than radiation tolerance has guided the optimisation of detectors which are very different from those at the large hadron collider LHC. The talk will explain the physics motivation for such precise experiments and present the overall design philosophy. Calorimeters have changed most dramatically, and some highlights from the ongoing R&D effort will be presented.
-2013-November-05 (Tue)
--講師:白井 智  (カリフォルニア大学バークレー校)
--時間と場所:17:00 in the 3rd lecture room
--題目:SUSY2013  〜現状と今後の展望〜
[[pdf:http://epp.phys.kyushu-u.ac.jp/documents/20131105SUSY_Shirai.pdf]]
--概要:LHCでの125 GeV Higgs粒子の発見、およびSUSYの未発見という事実は伝統的なSUSY模型描像を大きく揺さぶり、新たなアプローチでの理論構築が求められるようになった。埋もれていたアイディアの再発掘、検討も精力的に行われている。それに伴い、LHCで予言されるシグナルも単なるmissing energy + jetsから、より"エキゾチック"なものが注目を浴びるようになりつつある。本講演では、LHCの結果を踏まえたSUSY模型についての理論的発展について紹介する。
-2013-October-18 (Fri)
--講師:西村 康宏 氏 (東京大学宇宙線研究所)
--時間と場所:16:30 in the 3rd lecture room
--題目:T2K実験によるニュートリノ振動測定 [[pdf:http://epp.phys.kyushu-u.ac.jp/documents/20131018_T2K_Nishimura.pdf]]
--概要:T2K(Tokai to Kamioka)実験では、ミューオンニュートリノビームをJ-PARCから295km離れたスーパーカミオカンデへ照射し、ニュートリノ振動を観測している。目的の1つとして、振動角θ_13によるニュートリノのミューオン型から電子型への振動観測がある。今回は、統計量が前結果より倍以上となり、また解析を改良したため、有意に電子型への出現を証明した。また、ミューオン型からタウ型へ振動し、ミューオン型が消失するモードについても、最新の観測結果を紹介する。本講演では、詳細なニュートリノ振動パラメータの測定が可能となったこれら2013年のT2K実験最新結果と、Hyper-Kamiokandeなど今後の展開を報告する。
-2013-August-19 (Mon)
--講師:田中礼三郎 氏 (LAL, Orsay)
--時間と場所:10:30 in the 1st meeting room
--題目:Measurement of Higgs properties at the LHC
--概要:CERNにおける大型ハドロン衝突型加速器 (LHC)では、2011−12年に重心系のエネルギーが7および8TeVで約25fb^-1のデータを蓄積した。ちょうど1年前の7月4日にCERNにおけるセミナーで、アトラス実験およびCMS実験グループによりヒッグス粒子と思われる粒子の発見の報告がなされた。その後すべてのデータの解析がすすみ、発見された粒子は素粒子の標準模型で唯一未発見であったヒッグス粒子であることを強く示唆する結果を得ている。講演では、ヒッグス粒子の物理について概観したのち、ヒッグス粒子の基本的な性質である質量、崩壊幅、ゲージ・ボソンやフェルミオンとの結合、スピン・パリティについての解析結果を示す。さらに今後の高輝度LHC計画でのヒッグス粒子の物理について述べる。
-2013-July-29 (Mon)
--講師:Frank Zimmermann 氏 (CERN)
--時間と場所:10:30 in the 1st meeting room
--題目:LHC status and plans
--概要:大型ハドロン衝突型加速器 (LHC) で、2010年から2012年の期間に達成した性能についてレビューする。特に、これまでに経験した挑戦的課題、今後10年間に計画しているデザイン値に近いエネルギーでの運転、その問題点と限界について述べる。さらに、2022年以降について、高輝度化したLHC (“High Luminosity LHC” または “HL-LHC”) のための加速器パラメータ、鍵となる概念、進行中の研究開発について議論する。将来の高エネルギーハドロン衝突型加速器 (“High Energy LHC” と “Very High Energy LHC”) のアイディアについても紹介する。
-2013-July-18 (Thu)
--講師:北口 雅暁 氏 (名古屋大学)
--時間と場所:16:30 in the 3rd lecture room
--題目:中性子を用いた基礎物理実験
--概要:加速器による大強度中性子源と中性子制御技術の飛躍的な向上によって、中性子を用いた高精度の基礎物理実験が可能になってきた。現在我々はJ-PARCにおいて、ビッグバン元素合成模型の基本パラメータである中性子寿命の高精度測定を行っている。高速バンチ整形による低バックグラウンド化によって 0.1% の測定精度を目指し実験が進行中である。
また、中性子の電気双極子モーメントはSUSYなど標準理論を超える物理のよいプローブである。大強度中性子源と高精度光学系を用いることで、これまでの上限値を2桁向上させる可能性がある。さらに原子核反応での時間反転対称性の破れの測定、散乱や干渉を用いた重力相互作用の精密測定、中性子反中性子振動など、特に標準理論を超えた物理を目指して検討を進めている。実験の現状と今後の展開について議論したい。
-2013-January-08 (Tue)
--講師:中畑 雅行 氏 (東大宇宙線研)
--時間と場所:16:30 in the 1st meeting room
--題目:ニュートリノ研究の現状と将来 [[pdf:http://epp.phys.kyushu-u.ac.jp/~yoshioka/files/nakahata.130108.pdf]]
--概要:スーパーカミオカンデをはじめとする地下実験によってニュートリノ振動が発見され、ニュートリノが質量を持ち、世代間の混合もあることが分かってきた。また、近年の加速器ニュートリノ実験、原子炉ニュートリノ実験によって3つ目の混合角も測定され、残された振動パラメータは質量階層性とCP phaseのみとなった。ニュートリノ研究のこれまでのまとめと今後の展望についてお話しする。
**2012 [#cf884937]
-2012-June-29 (Fri)
--講師:清水 俊 氏 (大阪大学)
--時間と場所:16:30 in the 1st lecture room
--題目:K->lν崩壊におけるμ-eユニバーサリティの破れ探索
--概要:近年、階層性の問題や宇宙の暗黒物質や暗黒エネルギー等のSMでは説明できない現象が指摘されていて、SMに超対称性 (SUSY)を導入したモデルなど様々な理 論が提案されている。本研究は荷電K+中間子の二つの崩壊チャンネルK+->e+ν (Ke2) と K+->μ+ν(Kμ2))の分岐比の比 RKを0.2 %という高精度で測定し、標準模型(SM)からの差異を発見することで、標準模型を超える新しい物理(NP)を探索する。特に重要な物理過程としてLFV SUSYの効果が考えられ、RK値に1%という大きな影響を与える 可能性がある。具体的な実験方法であるが、J-PARC 施設において、静止したK中間子崩壊を測定する方法を採用する。また、時間対称性破れの探索を目的としたKEK-PS E246実験で使用した検出器群を改良したTREK検出器を使用する。Ke2及びKμ2崩壊で発生する荷電粒子はトロイダルスペクトロメータ、内部制動放射からのガンマ線は CsI(Tl) カロリーメータを用いて測定する。
-2012-May-28 (Mon)
--講師:青木 正治 氏 (大阪大学)
--時間と場所:16:30 in the 1st lecture room
--題目:J-PARC RCSからのパルス陽子ビームを活用したミューオン電子転換過程の探索実験 -- DeeMe -- 
[[pdf:http://epp.phys.kyushu-u.ac.jp/documents/deeme-kyushu-submitted.pdf]]
--概要:ミューオン電子転換過程はレプトン・フレーバを破る反応であり、素粒子の標準理論では禁止されている。その一方で、標準理論を超えた多くの理論ではその存在 が自然と考えられており、実験的な研究を着実に推進することが重要である。本講演では、10^-14の感度でミューオン電子転換過程を探索する実験、DeeMe 、について紹介する。これは現在の上限値をおよそ2桁改善する感度であり、世界で最初に信号を発見できる可能性は非常に高い。また、発見できない場合であっても、標準理論を超えた物理に対する重要な知見を与える。DeeMe では、陽子標的中にミューオニック原子が大量に生成される事に着目し、陽子標的から放出される電子をアクセプタンスの大きい二次ビームラインで取出すというユニークな実験手法を用いる。この二次ビーム ラインは汎用性の高い設備であり、他の実験にも活用できるためDeeMe の費用対効果 費は非常に高い。DeeMe は科研費の金額と研究期間におさまるサイズの実験であり、 若手研究者の育成にも最適である。本講演では、DeeMe実験の目指す物理や実験手法、 これまでの準備状況と今後の展開について議論する。
-2012-May-15 (Tue)
--講師:長谷川 裕司 氏 (ウィーン工科大学)
--時間と場所:16:30 in the 1st lecture room
--題目:中性子のスピン測定における不確定性 -- ハイゼンベルクの不確定性原理を超えて -- 
--概要:ハイゼンベルクの不確定性原理は、量子力学の教科書の初めに出てくる基本原理として知られている。
ケンナードやロバートソンによって示された標準偏差を用いた不確定性関係と異なり、測定の誤差と擾乱に関する不確定性関係は証明がなされてなく、ただ「直感的な」関係式として長い間信じられてきた。最近、小澤によりこの誤差と擾乱に関する不確定性関係が数学的に示された。我々は中性子のスピンの連続測定によってこの小澤によって示された不確定性関係に関する検証を行った。その結果、ハイゼンベルクによって示された不確定性関係が破れ、小澤の示唆した不確定性関係が成立することが実験的に示された。この結果はNature Physicsに発表され、多くの新聞にも取り上げられた。
-2012-April-06 (Fri)
--講師:斉藤 直人 氏 (高エネルギー加速器研究機構)
--時間と場所:16:30 in the 1st lecture room
--題目:極冷ミューオンビームを用いたミューオン異常磁気能率および電気双極子能率の測定 [[pdf:http://epp.phys.kyushu-u.ac.jp/documents/Kyushu-2012-Saito.pdf]]
--概要:ミューオンの異常磁気モーメントは、標準模型から有為なずれが確認されている
数少ない物理量の一つである。我々は、これを全く新しい手法で、しかも電気双極子
モーメントと同時に測定する実験を、J-PARCの物質生命科学実験施設のミュオン施
設で行うべく、提案している。この実験では、横方向の運動量広がりが小さい極冷ミ
ューオンビームを用いる。このビームは、実質的にゼロの収束場で、磁場中に蓄
積することが出来る。この手法により、過去に実験より圧倒的に小さな磁場領域で実験
が可能となる。我々の提案では、300 MeV/cまで加速したビームを3 T の静磁場に入
射・蓄積し、ミューオンのスピン歳差運動の各周波数ベクトルを測定する。このとき、周
回軌道の半径は33 cmであり、過去の実験の7mに比べ圧倒的に小さく、磁場の精密調整が
可能となる。この実験の最初のゴールは、過去の実験の5倍の精度0.1 ppmでg−2を
測定することである。同時に電気双極子モーメントについても、従来の約100倍
の精度1E-21 e・cm で探索することができる。
本講演では、実験の現状と、今後の展開について議論する。
-2012-February-03 (Fri)
--講師:小松原 健 氏 (高エネルギー加速器研究機構)
--時間と場所:16:30 in the 1st lecture room
--題目:J-PARCでのK中間子稀崩壊実験
--題目:J-PARCでのK中間子稀崩壊実験 [[pdf:http://epp.phys.kyushu-u.ac.jp/documents/120203_Komatsubara.pdf]]
--概要:茨城県東海村の大強度陽子加速器施設J-PARCが完成し、30GeVの陽子ビームを用いた新しい素粒子原子核実験が始まる。本セミナーでは、ハドロン実験施設で準備中の中性K中間子稀崩壊実験(E14 KOTO実験)を紹介し、陽子加速器の固定標的実験で何がわかるのか、それは素粒子物理の最前線の課題とどう密接に関わるのか、について基礎的なレベルからわかりやすく説明したい。また、ヨーロッパや米国のK中間子崩壊実験の現状やJ-PARC復旧の最新状況についても報告する。
**2011 [#q95350f3]
-2011-December-22 (Thu) 二つの関連する講演があります。
--時間と場所:16:30  in the 1st lecture room
--講師:西口創(高エネルギー加速器研究機構)
--題目:ミューオン崩壊で探る新物理・MEG実験 [[pdf:http://epp.phys.kyushu-u.ac.jp/documents/meg_kyusyu2011.pdf]]
--概要:いよいよLHC実験が始まり、素粒子物理学は今一大転換期を迎えているが、
様々な新しい物理モデルを実験データに基づいて検討するには、LHCの結果と、
それとは別の切り口から得られるTeVスケール物理の知見とを組み合わせて、
複合的見地から議論することが望ましい。そこで注目されているのが、
TeVスケール物理に優れた感度を持つ荷電レプトンフレーバ非保存事象(CLFV)
探索実験である。この講演では、ミューオン崩壊の精密測定を通じて挑む
CLFV実験の意義・方法・歴史と現状、特に現在進行中の唯一の実験である
μ→eγ探索実験(MEG実験)の最新結果を紹介する。
--講師:三原智(高エネルギー加速器研究機構)
--題目:ミューオン崩壊で探る新物理・将来のミューオン電子転換探索
ーCOMET実験を初めとしてー [[pdf:http://epp.phys.kyushu-u.ac.jp/documents/Kyusyu-Seminar-mihara-2011.pdf]]
--概要:スイスポールシェラー研究所で進められているMEG実験は、μ→eγ崩壊を
探索することにより世界最高感度でのCLFV探索を行なっている。
現在、このMEG実験と同等かまたはそれを上回る感度でCLFV探索を
行おうとする試みが世界各所で進められている。これらはμ→eγ崩壊以外の
CLFV過程に注目し、MEG実験と最高エネルギー衝突型実験を別な
視点から検証しようとするものであり、早期の実現が期待されている。
この講演では、J-PARCでの実施が計画されている
μ-e転換探索実験(COMET実験)に焦点を当ててこれらの実験を紹介し、
CLFV探索の将来の可能性を探る。
-2011-December-06 (Tue)
--講師:田中 秀治 氏 (高エネルギー加速器研究機構)
--時間と場所:16:30 in the 1st lecture room
--題目:BelleII/superKEKBの現状と展望 [[pdf:http://epp.phys.kyushu-u.ac.jp/documents/BelleIIandSuperKEKB.pdf]]
--概要:現在BelleII検出器及びsuperKEKB加速器の高度化に向けて様々な部分の設計、試験
が進行中です。本セミナ―では7月に中村 勇 氏が紹介した内容を踏まえ、大型加速器
実験における装置建設準備から実験開始に至るまでにどのような研究内容(大学院生にとって)
があるのか具体例で紹介したいと思います。
-2011-November-29 (Tue)
--講師:前田 順平 氏 (首都大学東京)
--時間と場所:16:30 in the 3rd lecture room
--題目:Double Chooz実験によるニュートリノ振動解析の最新結果 [[pdf:http://epp.phys.kyushu-u.ac.jp/documents/kyushu_seminar-29Nov2011.pdf]]
--概要:原子炉ニュートリノ実験Double Choozによる最初のニュートリノ振動解析の結果を報告する。Double Chooz実験ではフランス・Chooz原子炉から400m(Near検出器)と1km(Far検出器)の距離に同一構造の検出器を設置し、両者を比較することで系統誤差を相殺し、高精度でニュートリノ振動の研究を行う。2011年4月にFar検出器のコミッショニングを完了し、物理データの取得を開始した。今回はFar検出器の約100日分の物理データを用いてニュートリノ振動解析を行った。観測されたニュートリノ事象数およびエネルギースペクトルを用いた解析の結果、反電子ニュートリノの欠損が確認された。この結果は、ニュートリノ混合角θ13がゼロではない有限値を持ち、近距離での原子炉ニュートリノ振動が存在することを示唆している。この測定結果は、ニュートリノセクターにおけるCP対称性の破れの測定の可能性を拓くものである。
-2011-November-25 (Fri) ILC大学連携タスクフォースセミナー
--講師:川越清以(九州大学)、栗木雅夫(広島大学)、山下了(東京大学)
--時間と場所:15:00  in the 1st lecture room
--題目:宇宙創成の謎に迫る国際リニアコライダー計画
--概要:宇宙開闢から1兆分の1秒後に迫る国際リニアコライダー(ILC)は、2012年の技術設計書,測定器詳細設計の完成をめざし,国際協力体制で開発研究が進められている。本セミナーではLHCの結果がでつつある状況を踏まえ,ILCの目指す物理やそれを取り巻く国内外の状況を紹介する。
---ILC計画の現状と将来及びILCの物理(川越)[[pdf:http://epp.phys.kyushu-u.ac.jp/documents/kawagoe_kyushu_20111125.pdf]] :
電子陽電子衝突によるクリーンな環境を生かして,どのように宇宙創生の謎にせまるのか?素粒子物理学の現状やLHCの最新結果を踏まえ,ILCの目指す物理を解説する。また、ILC計画の全体像とその実現に向けた国内外の状況について解説する。
---ILC加速器(栗木)[[pdf:http://epp.phys.kyushu-u.ac.jp/documents/ILCAccv1.pdf]] :
全長40kmにも及ぶILC加速器の概要を解説するとともに,建設に向けた最先端技術開発の状況,研究開発体制を解説する。 
---ILC測定器(山下)[[pdf:http://epp.phys.kyushu-u.ac.jp/documents/20111125-kyuudai.pdf]] :ILCの物理を実現するためには,これまでの測定器をはるかに超える分解能が要求される。こなぜこのような分解能が要求されるのか,それをどのように実現しようとしているのか。測定器開発の状況や実機建設に向けた体制について解説する。

-2011-October-31 (Mon)
--Lecturer: Dr. Holger Motz (Uni. Erlangen, Germany)
--Time and place: 16:00 in the 3rd lecture room
--Title:  Dark Matter Search with ANTARES [[pdf:http://epp.phys.kyushu-u.ac.jp/documents/seminar_talk_slides_h_motz.pdf]] 
--Abstract: Built in the deep sea of the Mediterranean near Toulon, France, the ANTARES neutrino telescope detects high energy neutrinos which interact inside or close to the detector and bring forth a muon which emits Cherenkov light.
The detector consists of a photomultiplier array mounted on flexible strings which are anchored on the seabed. From the position and time of the measured Cherenkov photons, the direction of the muon track and thereby that of the original neutrino are reconstructed.  
Part of the project's physics program is to search indirectly for Dark Matter, by looking for neutrinos emitted in annihilation processes of the Dark Matter particles, which are predicted to accumulate in the centres of massive objects like the Sun and the Earth. 
Overviews on the ANTARES detector and recent results are given. Further, a study of the sensitivity of ANTARES to Dark Matter annihilation in the Sun as predicted by the theory of minimal Supergravity (mSugra) is presented. Concluding, the outline and  applied event reconstruction of an analysis on the neutrino flux from the direction of the Earth's centre and the obtained limits on Dark Matter annihilation are explained in detail.
-2011-July-27 (Wed)
--講師:亀田 純 氏 (東京大学宇宙線研究所)
--時間と場所:16:30 in the 1st lecture room
--題目:T2K実験の最新結果 [[pdf:http://epp.phys.kyushu-u.ac.jp/documents/kameda-20110727-seminar-submit.pdf]] 
--概要:本発表ではT2K実験(Tokai to Kamioka ニュートリノ振動実験)の最新結果を報告する。T2K実験は、J-PARC 30GeV陽子シンクロトロンを用いて生成されたミューオン型ニュートリノを用い、295km離れた東京大学宇宙線研究所のスーパーカミオカンデへの飛行中にニュートリノのフレーバーが変化すること(ニュートリノ振動)を観測する事でニュートリノの混合角、質量差を測定する実験である。本実験の主目的の一つは、ミューオン型ニュートリノから電子型ニュートリノへのニュートリノ振動(ν_e appearance)を探索する事により、現在までに上限値しか与えられていないニュートリノ混合角の一つであるθ_13の有限値を世界で初めて測定する事である。本発表では、ニュートリノ振動に関して簡単に触れ、その後にT2K実験の概要、セットアップ等に関して説明をする。その後に実験開始の2010年1月から2011年3月までのデータを用いたν_e appearance探索の結果を報告する。また、もう一つの重要な研究対象である、ミューオン型ニュートリノのニュートリノ振動による減少(ν_μ disappearance)の研究結果も報告する予定である。
-2011-July-26 (Tue)
--講師:清水 裕彦 氏 (高エネルギー加速器研究機構)
--時間と場所:15:00 in the 1st lecture room
--題目:低速中性子を用いた高精度測定による新物理探索 [[pdf:http://epp.phys.kyushu-u.ac.jp/documents/shimizu20110726.pdf]] 
--概要:低速中性子は顕著な波動性を持っており、波動関数の位相を利用すると、極めて微弱な相互作用を精度よく測定することが可能になる。その代表例は電気双極子能率の測定であり、標準理論を超える新物理研究の有力な手段の一つである。測定精度を高めるには、中性子を超冷領域まで減速して、物質容器に閉込めることが有効である。高精度測定には、より多くの中性子を制御された状態で計測装置に導く必要がある。特に低速中性子は検出に核反応を用いるため、飛跡検出器は事実上作れないため、結果的に光学的制御が必須となる。J-PARCの大強度陽子ビームは、極めて高い瞬間的位相空間密度を持つパルス中性子ビームをもたらした。パルスビームの場合には、光学系を中性子の到来時間に同期させることによって、より有効な光学的制御ができるため、従来の測定限界を超える物理研究が新たに可能となるものと期待している。物理測定の開始段階にある中性子寿命測定の概略を示すとともに、超冷及び熱外領域での時間反転対称性の破れ、冷及び極冷領域での短距離重力研究などの研究展開を紹介する。
-2011-July-08 (Fri)
--講師:岡田 謙介 氏 (理研BNL研究センター)
--時間と場所:15:00 in the 2nd lecture room
--題目:偏極陽子衝突実験で探る陽子スピンの秘密 [[pdf:http://epp.phys.kyushu-u.ac.jp/documents/kyudaiseminar_2011_okada_final.pdf]] 
--概要:陽子は原子核の基本要素であり、その性質は良く知られている。質量や、本講演での主題であるスピンという性質もそのひとつである。しかし物質の 階層構造を一歩下ると、その陽子もクォークやグルーオンといった素粒子が閉じ込められた集合体であり、その陽子の性質がどのように組みあがってい るのかというのはごく自然な問いである。米国ブルックヘブン研究所では、世界唯一の偏極陽子衝突型加速器(RHIC)を用いてその陽子スピンの秘密に迫っている。最近ではスピン計画の 3本柱のひとつWボゾンを用いた反クォーク成分の測定をはじめたところである。本講演ではRHIC陽子スピン実験の10年の成果について、国際コラボレーション実験PHENIXでの体験を交えて報告する。
-2011-July-01 (Fri)
--講師:後藤 亨 氏 (高エネルギー加速器研究機構)
--時間と場所:15:00  in the 2nd lecture room
--題目:フレイバー物理と標準模型を超える物理
--概要:Bファクトリー等の実験でフレイバー物理を調べることの意義は標準模型の検証だけではなく、標準模型を超える素粒子物理の手がかりをつかむことにあります。本講演では超対称模型等での例を紹介し、標準模型を超える物理の影響がどのようにフレイバー物理の観測量に現れることが期待されるかを解説しようと思います。
--講師:中村 勇 氏 (高エネルギー加速器研究機構)
--時間と場所:16:00  in the 2nd lecture room
--題目:BelleからBelle2実験へのアップグレードについて [[pdf:http://epp.phys.kyushu-u.ac.jp/documents/20110701isamu.pdf]] 
--概要:1999年にData Takingを開始したBelle実験は、7.7億以上のBメソン対事象を採取して、昨年6月でData Takingを終了しました。このたくさんのデータを使った解析の結果、B粒子系でのCP対称性の破れのメカニズムの解明が進み、小林益川のノーベル賞につながったのは御存じだと思います。
現在はBelle実験で取ったデータの50倍のデータを集めることが出来るように実験のアップグレードを行なっている最中です。本講演ではBelle実験とBelle2実験へのupgradeについてなるべくわかりやすく解説したいと思います。
-2011-June-10 (Fri)
--講師:田島 治 氏 (高エネルギー加速器研究機構)
--時間と場所:13:00 in the 2nd lecture room
--題目:インフレーション宇宙の痕跡を探す! - QUIET実験の初期結果 [[pdf:http://epp.phys.kyushu-u.ac.jp/documents/2011_0610_tajimao.pdf]] 
--概要:宇宙初期に加速度的膨張「インフレーション」があったと記述するインフレー ション宇宙論、それはビッグバン宇宙論だけでは記述しきれない観測事実を見事に説明する。そしてインフレーション宇宙論の決定的証拠となるのが、宇宙背景放射 (CMB) 偏光の特殊なパターン「Bモード」である。Bモードは未発見であり、様々な実験が壮絶な発見競争を繰り広げている。QUIET実験はBモードの発見を目指して、チリアタカマ高地(海抜5千メートル)で2年以上におよぶ観測を行ってきた。本講演ではその初期結果を報告すると共に、CMB 偏光の測定方法等も出来るだけわかりやすく説明したい。また、次期実験の計画と展望についても触れる。
-2011-May-27 (Fri) 
--Lecturer: Prof. Jae Yu (University of Texas at Arlington)
--Time and place: 16:00 in the 3rd lecture room
--Title:  A Quest for the Origin of the Universe [[pdf:http://epp.phys.kyushu-u.ac.jp/documents/yu-kyushu-colloquium-052711.pdf]] 
--Abstract: High Energy Physics is a field of physics that
pursues understanding the fundamental building blocks of
matter and the forces between them.   For these, the field
uses powerful particle accelerators to probe deeper into
ever smaller scales in the universe and complex detectors to
analyze the phenomena emerging from the accelerator.  The
Large Hadron Collider experiments at CERN have started
taking data early 2010 and are producing results in pursuit
for the last undiscovered particle, the Higgs boson.   One
of the next generation particle accelerators for even more
precise understanding of the universe is that collides
electrons and positrons on a straight line.   The UTA High
Energy Physics group has been working on developing an
advanced calorimeter - an energy measuring device - for this
and other future accelerators using a new detector
technology, the Gas Electron Multiplier (GEM).  In the
process of development, we have noticed that GEM detector is
sensitive to X-rays and other radiations and have started
collaborating with many institutions around the world,
including the University of Texas at South Western Medical
Center, for its use in everyday lives.   In this talk, I
will explain High Energy Physics, selected recent results
from the ATLAS experiment at the Large Hadron Collider, the
linear collider and the principles of GEM detector and its
potential use on everyday lives.