ExperimentalParticlePhysics

EPP Seminar

2011

  • 2011-December-05 (Mon)
    • 講師:田中 秀治 氏 (高エネルギー加速器研究機構)
    • 時間と場所:16:30 in the 1st lecture room
    • 題目:BelleII/superKEKBの現状と展望
    • 概要:現在BelleII検出器及びsuperKEKB加速器の高度化に向けて様々な部分の設計、試験 が進行中です。本セミナ―では7月に中村 勇 氏が紹介した内容を踏まえ、大型加速器 実験における装置建設準備から実験開始に至るまでにどのような研究内容(大学院生にとって) があるのか具体例で紹介したいと思います。
  • 2011-November-29 (Tue)
    • 講師:前田 順平 氏 (首都大学東京)
    • 時間と場所:16:30 in the 3rd lecture room
    • 題目:Double Chooz実験によるニュートリノ振動解析の最新結果
    • 概要:原子炉ニュートリノ実験Double Choozによる最初のニュートリノ振動 解析の結果を報告する。 Double Chooz実験ではフランス・Chooz原子炉から400m(Near検出器) と1km(Far検出器)の距離に同一構造の検出器を設置し、両者を比較 することで系統誤差を相殺し、高精度でニュートリノ振動の研究を行う。 2011年4月にFar検出器のコミッショニングを完了し、物理データの取得 を開始した 今回はFar検出器の約100日分の物理データを用いてニュートリノ振動解析 を行った。観測されたニュートリノ事象数およびエネルギースペクトルを 用いた解析の結果、反電子ニュートリノの欠損が確認された。この結果は、 ニュートリノ混合角θ13がゼロではない有限値を持ち、近距離での原子炉 ニュートリノ振動が存在することを示唆している。 この測定結果は、ニュートリノセクターにおけるCP対称性の破れの測定の 可能性を拓くものである。
  • 2011-November-25 (Fri) ILC大学連携タスクフォースセミナー
    • 講師:川越清以(九州大学)、栗木雅夫(広島大学)、山下了(東京大学)
    • 時間と場所:15:00 in the 1st lecture room
    • 題目:宇宙創成の謎に迫る国際リニアコライダー計画
    • 概要:宇宙開闢から1兆分の1秒後に迫る国際リニアコライダー(ILC)は、2012年の技術設計書,測定器詳細設計の完成をめざし,国際協力体制で開発研究が進められている。本セミナーではLHCの結果がでつつある状況を踏まえ,ILCの目指す物理やそれを取り巻く国内外の状況を紹介する。
      • ILC計画の現状と将来及びILCの物理(川越): 電子陽電子衝突によるクリーンな環境を生かして,どのように宇宙創生の謎にせまるのか?素粒子物理学の現状やLHCの最新結果を踏まえ,ILCの目指す物理を解説する。また、ILC計画の全体像とその実現に向けた国内外の状況について解説する。
      • ILC加速器(栗木): 全長40kmにも及ぶILC加速器の概要を解説するとともに,建設に向けた最先端技術開発の状況,研究開発体制を解説する。 
      • ILC測定器(山下):ILCの物理を実現するためには,これまでの測定器をはるかに超える分解能が要求される。こなぜこのような分解能が要求されるのか,それをどのように実現しようとしているのか。測定器開発の状況や実機建設に向けた体制について解説する。
  • 2011-October-31 (Mon)
    • Lecturer: Dr. Holger Motz (Uni. Erlangen, Germany)
    • Time and place: 16:00 in the 3rd lecture room
    • Title: Dark Matter Search with ANTARES
    • Abstract: Built in the deep sea of the Mediterranean near Toulon, France, the ANTARES neutrino telescope detects high energy neutrinos which interact inside or close to the detector and bring forth a muon which emits Cherenkov light. The detector consists of a photomultiplier array mounted on flexible strings which are anchored on the seabed. From the position and time of the measured Cherenkov photons, the direction of the muon track and thereby that of the original neutrino are reconstructed. Part of the project's physics program is to search indirectly for Dark Matter, by looking for neutrinos emitted in annihilation processes of the Dark Matter particles, which are predicted to accumulate in the centres of massive objects like the Sun and the Earth. Overviews on the ANTARES detector and recent results are given. Further, a study of the sensitivity of ANTARES to Dark Matter annihilation in the Sun as predicted by the theory of minimal Supergravity (mSugra) is presented. Concluding, the outline and applied event reconstruction of an analysis on the neutrino flux from the direction of the Earth's centre and the obtained limits on Dark Matter annihilation are explained in detail.
  • 2011-July-27 (Wed)
    • 講師:亀田 純 氏 (東京大学宇宙線研究所)
    • 時間と場所:16:30 in the 1st lecture room
    • 題目:T2K実験の最新結果 pdf
    • 概要:本発表ではT2K実験(Tokai to Kamioka ニュートリノ振動実験)の最新結果を報告する。T2K実験は、J-PARC 30GeV陽子シンクロトロンを用いて生成されたミューオン型ニュートリノを用い、295km離れた東京大学宇宙線研究所のスーパーカミオカンデへの飛行中にニュートリノのフレーバーが変化すること(ニュートリノ振動)を観測する事でニュートリノの混合角、質量差を測定する実験である。本実験の主目的の一つは、ミューオン型ニュートリノから電子型ニュートリノへのニュートリノ振動(ν_e appearance)を探索する事により、現在までに上限値しか与えられていないニュートリノ混合角の一つであるθ_13の有限値を世界で初めて測定する事である。本発表では、ニュートリノ振動に関して簡単に触れ、その後にT2K実験の概要、セットアップ等に関して説明をする。その後に実験開始の2010年1月から2011年3月までのデータを用いたν_e appearance探索の結果を報告する。また、もう一つの重要な研究対象である、ミューオン型ニュートリノのニュートリノ振動による減少(ν_μ disappearance)の研究結果も報告する予定である。
  • 2011-July-26 (Tue)
    • 講師:清水 裕彦 氏 (高エネルギー加速器研究機構)
    • 時間と場所:15:00 in the 1st lecture room
    • 題目:低速中性子を用いた高精度測定による新物理探索 pdf
    • 概要:低速中性子は顕著な波動性を持っており、波動関数の位相を利用すると、極めて微弱な相互作用を精度よく測定することが可能になる。その代表例は電気双極子能率の測定であり、標準理論を超える新物理研究の有力な手段の一つである。測定精度を高めるには、中性子を超冷領域まで減速して、物質容器に閉込めることが有効である。高精度測定には、より多くの中性子を制御された状態で計測装置に導く必要がある。特に低速中性子は検出に核反応を用いるため、飛跡検出器は事実上作れないため、結果的に光学的制御が必須となる。J-PARCの大強度陽子ビームは、極めて高い瞬間的位相空間密度を持つパルス中性子ビームをもたらした。パルスビームの場合には、光学系を中性子の到来時間に同期させることによって、より有効な光学的制御ができるため、従来の測定限界を超える物理研究が新たに可能となるものと期待している。物理測定の開始段階にある中性子寿命測定の概略を示すとともに、超冷及び熱外領域での時間反転対称性の破れ、冷及び極冷領域での短距離重力研究などの研究展開を紹介する。
  • 2011-July-08 (Fri)
    • 講師:岡田 謙介 氏 (理研BNL研究センター)
    • 時間と場所:15:00 in the 2nd lecture room
    • 題目:偏極陽子衝突実験で探る陽子スピンの秘密 pdf
    • 概要:陽子は原子核の基本要素であり、その性質は良く知られている。質量や、本講演での主題であるスピンという性質もそのひとつである。しかし物質の 階層構造を一歩下ると、その陽子もクォークやグルーオンといった素粒子が閉じ込められた集合体であり、その陽子の性質がどのように組みあがってい るのかというのはごく自然な問いである。米国ブルックヘブン研究所では、世界唯一の偏極陽子衝突型加速器(RHIC)を用いてその陽子スピンの秘密に迫っている。最近ではスピン計画の 3本柱のひとつWボゾンを用いた反クォーク成分の測定をはじめたところである。本講演ではRHIC陽子スピン実験の10年の成果について、国際コラボレーション実験PHENIXでの体験を交えて報告する。
  • 2011-July-01 (Fri)
    • 講師:後藤 亨 氏 (高エネルギー加速器研究機構)
    • 時間と場所:15:00 in the 2nd lecture room
    • 題目:フレイバー物理と標準模型を超える物理
    • 概要:Bファクトリー等の実験でフレイバー物理を調べることの意義は標準模型の検証だけではなく、標準模型を超える素粒子物理の手がかりをつかむことにあります。本講演では超対称模型等での例を紹介し、標準模型を超える物理の影響がどのようにフレイバー物理の観測量に現れることが期待されるかを解説しようと思います。
    • 講師:中村 勇 氏 (高エネルギー加速器研究機構)
    • 時間と場所:16:00 in the 2nd lecture room
    • 題目:BelleからBelle2実験へのアップグレードについて pdf
    • 概要:1999年にData Takingを開始したBelle実験は、7.7億以上のBメソン対事象を採取して、昨年6月でData Takingを終了しました。このたくさんのデータを使った解析の結果、B粒子系でのCP対称性の破れのメカニズムの解明が進み、小林益川のノーベル賞につながったのは御存じだと思います。 現在はBelle実験で取ったデータの50倍のデータを集めることが出来るように実験のアップグレードを行なっている最中です。本講演ではBelle実験とBelle2実験へのupgradeについてなるべくわかりやすく解説したいと思います。
  • 2011-June-10 (Fri)
    • 講師:田島 治 氏 (高エネルギー加速器研究機構)
    • 時間と場所:13:00 in the 2nd lecture room
    • 題目:インフレーション宇宙の痕跡を探す! - QUIET実験の初期結果 pdf
    • 概要:宇宙初期に加速度的膨張「インフレーション」があったと記述するインフレー ション宇宙論、それはビッグバン宇宙論だけでは記述しきれない観測事実を見事に説明する。そしてインフレーション宇宙論の決定的証拠となるのが、宇宙背景放射 (CMB) 偏光の特殊なパターン「Bモード」である。Bモードは未発見であり、様々な実験が壮絶な発見競争を繰り広げている。QUIET実験はBモードの発見を目指して、チリアタカマ高地(海抜5千メートル)で2年以上におよぶ観測を行ってきた。本講演ではその初期結果を報告すると共に、CMB 偏光の測定方法等も出来るだけわかりやすく説明したい。また、次期実験の計画と展望についても触れる。
  • 2011-May-27 (Fri)
    • Lecturer: Prof. Jae Yu (University of Texas at Arlington)
    • Time and place: 16:00 in the 3rd lecture room
    • Title: A Quest for the Origin of the Universe pdf
    • Abstract: High Energy Physics is a field of physics that pursues understanding the fundamental building blocks of matter and the forces between them. For these, the field uses powerful particle accelerators to probe deeper into ever smaller scales in the universe and complex detectors to analyze the phenomena emerging from the accelerator. The Large Hadron Collider experiments at CERN have started taking data early 2010 and are producing results in pursuit for the last undiscovered particle, the Higgs boson. One of the next generation particle accelerators for even more precise understanding of the universe is that collides electrons and positrons on a straight line. The UTA High Energy Physics group has been working on developing an advanced calorimeter - an energy measuring device - for this and other future accelerators using a new detector technology, the Gas Electron Multiplier (GEM). In the process of development, we have noticed that GEM detector is sensitive to X-rays and other radiations and have started collaborating with many institutions around the world, including the University of Texas at South Western Medical Center, for its use in everyday lives. In this talk, I will explain High Energy Physics, selected recent results from the ATLAS experiment at the Large Hadron Collider, the linear collider and the principles of GEM detector and its potential use on everyday lives.