活動報告(第11回:2013.06.21開催分)

みんなと物理をつなぐ素敵空間 サイエンスカフェ@ふくおか第11回を開催いたしました。

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第11回ポスター
第10回ポスター

 サイエンスカフェ@ふくおか、これまでは物理加速器に焦点を当てて宇宙のナゾに迫って来ました。しかし、みなさんもご存知の通り、数式をいじったり大規模な実験をしたりするだけが宇宙に迫る方法ではありません。天体望遠鏡で遠くの星を覗いてみる?確かにそれもアリです。でも、やっぱり直接見に行くのが一番確実じゃないでしょうか?そう…、宇宙が知りたきゃ、宇宙に行け!です。
 第11回サイエンスカフェ@ふくおか、今回のテーマは「宇宙に行く!」です!


 50名を超える方々がご参加くださいました!ありがとうございます!


第1部

 今回は、ロケットや人工衛星のお話。私たち素粒子実験の物理屋さんにはお手上げです。
 そこで、九州大学 工学研究院 航空宇宙工学部門の平山博士を講師にお招きしました!
 聞き手はもちろん、我らが九州大学 素粒子実験研究室の吉岡博士です!


今回の講師:吉岡 瑞樹博士(左)と平山 寛博士(右)


講師 平山博士の紹介

 東京大学で航空宇宙工学を学ぶ。大学院では宇宙科学研究所に所属し、宇宙太陽発電衛星の研究に参加。九州大学に赴任後、宇宙ロボット技術の研究で博士(工学)を取得。超小型人工衛星の開発や、宇宙ごみ(スペースデブリ)の研究に従事。モデルロケットや缶サット(飲料缶サイズの模擬衛星)を使った宇宙教育活動にも参加している。

 平山先生、普段はお静かな雰囲気を持っている印象を受けますが、ロケットについて語っているときはまるで少年のように楽しそうにお話されます。参加された方々も先生が語る魅惑的な宇宙工学のお話に真剣に聞き入っていました。

 宇宙工学については全くの素人の筆者ではありますが、お話を少し振り返ってみましょう!


みんな、宇宙に行きたいかぁー!…○○円になります。

 夢の宇宙旅行、ぜひとも一度は行ってみたいものです。無重力の宇宙船の中でふわふわ漂いながら、眼下に地球を見下ろして「確かに地球は青かった」なんて。誰もが一度は憧れるはずです。
 しかし、まだまだ一般人には遠い遠い存在。とりあえず少しは身近に感じるために、旅行代金ぐらいは知っておきましょう。もしかしたら案外行けるものかもしれませんし!宇宙ステーションへの旅行代金はおいくらでしょうか、平山先生?

 平山先生「40億円です。」

えっ?…、あの…、ひらy

 平山先生「40億円」

 無理です。身近に感じるどころか絶望すら覚えます。やっぱり僕らには夢の世界です。でも!数分間の無重力状態を味わえる弾丸旅行なら一千万円でいけるんですって!お買い得!無理です。


 なら、せめて!せめて、宇宙ステーションになにか物を送ることはできないんでしょうか!?思い出の品か何かが空高く宇宙ステーションの中にあるなんて、それだけでもワクワク出来そうです!これはいけるでしょ、平山先生!

 平山先生「1キログラムで100万円」

 やっす、くねええ!!!さっき、”億”なんて出てきたんで「100万かー」なんて思っちゃいましたが、高すぎです。なんで、そんなに高くなるのか?その原因は燃料にあるそうです。ロケットの構成のほとんどは宇宙に行く燃料に費やされてしまいます。積める荷物はそれに対してほんの少しだけ。しかもロケットは使い捨てです。宇宙への壁はかなり高いです。。


宇宙に行く!

 仕方ありません、宇宙への夢は宇宙飛行士のみなさんに託しましょう。
 ところで、ロケットが地球のまわりを回り続けるにはどれぐらいのスピードが必要なんでしょうか?ボールをどんなに速く投げても、重力を受けていつかは落ちてきてしまいます。漫画のように投げたボールが地面につくことなく地球を一周して自分のところに戻ってくるにはどれくらいの速さが必要なんでしょうか。

 平山先生「約8km/秒、時速28400km」

 またもやトンデモナイ数字が出て来ました。このスピードを、第1宇宙速度というそうです。少なくともこのスピードがなければ、ロケットは地上に落ちてきてしまいます。

 一体どうやってこんな速さにまでロケットを加速するのでしょうか?加速の方法にはいくつかあるそうですが、液体燃料を推進剤として使用するロケットが主流なのだそうです。液体燃料と酸化剤を混ぜることで燃焼させ推進力を生み出します。
 液体燃料にも幾つか種類があって、液体水素や石油系燃料、さらにはヒドラジン系燃料という聞きなれないものもあります。これらの液体燃料は種類によって燃焼時の”色”が違います。液体水素は透明、石油系燃料はオレンジ、ヒドラジン系は紫。彼女と一緒にロケットの打ち上げ中継を見ることがあれば、「燃焼の色がオレンジだから、このロケットは石油系燃料を使用してるね」ってドヤ顔することができますね!間違いなく嫌な顔されますけど。


人工衛星を作る!

 ロケットの話のあとは、人工衛星のお話!
 目的によって、さまざまな形状や大きさの人工衛星があるんですね!注目は、九州大学開発のIDEA(イデア)!宇宙のゴミであるスペースデブリをモニタリングすることが目的なのだそうです!現在、打ち上げ機会を検討中。九州発の人工衛星が宇宙に飛び立つっていうのはとても夢があります!


IDEAのイメージ写真!
(提供:九州大学 工学研究院 航空宇宙工学部門 宇宙機ダイナミクス研究室 様)

 実は、このサイエンスカフェの翌日にIDEAに関する公開講演会が開催されていました!こちらの様子は、IDEAプロジェクトの活動報告ページにて紹介されています!同じ九州大学内のプロジェクトして、こちらもぜひ注目していただきたいです!


ロケットを見る!

 残念ながらあまりにも旅行代金が高額なのでロケットに乗ることは難しいのですが、ロケットを見ることは可能です!なんたって九州には、種子島宇宙センターと内之浦宇宙空間観測所がありますからね!今年も以下の日程でロケットの打ち上げがあるそうです。

  • 7月20日(土)23:00・25:00 @内之浦
     観測ロケットS-310とS-520、電離層の観測
  • 8月4日(日)4:48頃 @種子島
     H-UBロケット4号機(こうのとり4号機)
  • 8月22日(木)13:30・14:30 @内之浦
     イプシロンロケット試験機、惑星分光観測衛星(SPRINT-A)

 ご興味のある方はぜひ調べて行ってみてもいいかもしれません!(地元のホテルなどはすでに埋まっているそうですが。。)ちなみに夜間の打ち上げであれば福岡からでも打ち上げを肉眼で確認することができるそうです!

第2部

 いつもなら物理談義タイムですが、今回はロケット談義タイム!
 やはり宇宙開発・ロケット開発は一般の方の関心も高いようで、かなり活発に質問が飛び交っていました。

 今回のサイエンスカフェ「宇宙に行く!」、観客の皆さんもこれまでになく非常に盛り上がっていました。平山先生のお話を、大人の方々が身を乗り出して少年のように楽しそうに聞いている様子を見ると、ロケットで宇宙へ行くことに憧れを抱いている方は多いのだなと実感しました。でもでも、ILCプロジェクトも宇宙開発に負けないぐらい夢のある計画です!子どもたちに、「いつかILCで宇宙の謎を解明したい!」と思ってもらえるようにどんどんその魅力を伝えていきたいと思います!
 九州で人工衛星を作り、九州でロケットを打ち上げ、九州で宇宙を創る!ILC実現の先には、もっとどきどきわくわくする九州が待っています!

次回は

 サイエンスカフェ、次回は7月19日に開催決定!
 テーマは、「宇宙を語る」!
 詳細はこちらから!次回もお楽しみに!!

署名にご協力を!

 九州背振地域へのILC誘致を目指して、民間の方々が強力な応援隊を組んでくださいました。
 その名も、「九州へのILC誘致を実現する会」!
 現在、署名数は12万人を突破しています!素晴らしい!6月末日が2次締め切りだそうですので、まだ署名されてない方はぜひウェブ署名をよろしくお願いします!

(古浦)
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